最新記事

化学兵器

シリア北部の空爆で死者多数、アサド政府軍が化学兵器使用か

2017年4月5日(水)11時19分

 4月4日、シリア北西部のイドリブ県でシリア政府軍による化学兵器を使用したとみられる空爆があり、こどもを含む多数の死者が出たもよう。人権監視団体や医療関係者が明らかにした。空爆を受けたモスク(2017年 ロイター/Bassam Khabieh)

シリア北西部のイドリブ県で4日、シリア政府軍による化学兵器を使用したとみられる空爆があり、こどもを含む多数の死者が出たもよう。人権監視団体や医療関係者が明らかにした。

米政府筋によると、米政府は攻撃に神経ガスのサリンが使われたとみており、シリアのアサド政権軍による攻撃であることが「ほぼ確実」としている。

一方、シリア軍は化学兵器の使用を否定。過去にも使ったことはないとしている。

シリアでは2013年にもサリンガスを使った攻撃が起き、民間人数百人が犠牲になった。当時、欧米諸国はシリア政府による攻撃だと指摘したが、シリア政府は反政府勢力の犯行だと主張した。

イドリブ県の当局者によると、今回の攻撃で50人以上が死亡、約300人が負傷した。

国際医療グループは、死者が少なくとも100人に上るとしている。

また、英国を拠点を置く非政府組織(NGO)のシリア人権監視団は、今回の攻撃で少なくとも58人が死亡、戦闘機の特徴などから、空爆はシリア政府軍の爆撃機が行ったとの見方を示した。

国連安全保障理事会は5日、シリア空爆について協議する予定。

米国務省の高官は、アサド政権軍によるものとみられる今回の攻撃は戦争犯罪に値すると語った。

[ベイルート 4日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、月内の対インド通商交渉をキャンセル=関係筋

ワールド

イスラエル軍、ガザ南部への住民移動を準備中 避難設

ビジネス

ジャクソンホールでのFRB議長講演が焦点=今週の米

ワールド

北部戦線の一部でロシア軍押し戻す=ウクライナ軍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 5
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 6
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 9
    40代は資格より自分のスキルを「リストラ」せよ――年…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中