最新記事

コメディ

有名俳優が「モノマネはもう辞める」と言った理由

2017年3月8日(水)21時08分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

CNN-YouTubeより

<人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で大ウケだったトランプ大統領のモノマネを、アレック・ボールドウィンが突然「もう辞める」と発言。いまこそ稼ぎ時に思えるが......>

アメリカで人気のドナルド・トランプが(もう1人)いる。米NBCのコメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」で、俳優でありコメディアンのアレック・ボールドウィンが扮するトランプだ。

毎週土曜日の深夜に放送されるSNLで、ボールドウィンがトランプのモノマネを始めたのは大統領選の最中から。たちまち話題を呼び、トランプ自身が何度もツイッターで批判し、視聴率も上がった。アトランティック誌は「この15年間にSNLが放送したなかで最も重大な大統領のモノマネ」と称賛する。

【参考記事】ブチ切れトランプが復活? コメディ番組のモノマネに激怒

政治風刺や時事ネタのパロディを特徴とするSNLは、不定期に出演者が入れ替わる長寿コメディ番組だが、ボールドウィンはいまやホストとして歴代最多の出演回数。トランプが大統領就任後、さらに次々と"ネタ"を提供し続けるなか、さぞかし仕事がしやすかろうと思いきや......。

「もう辞める」というのだ。さては政治的な圧力でもあったのか?

そうではない。

「この政権の悪意の強さが人々を不安にさせる......だからもう、これ以上モノマネをやるつもりはない。いま以上にウケるかどうかわからない」と、ボールドウィンはテレビ番組「エクストラ」のインタビューで語った。

「トランプにはスポーツマン精神が圧倒的に欠けている」とボールドウィン。「冷酷で、怒りっぽいのは変わらないし、顔を合わせたら『お前の勝ちだよ』と言って逃げ出してしまいたくなるようなタイプだ」

スレートはトランプを風刺する難しさについてこう書く。「ボールドウィンのモノマネは、不誠実でおどけた、異常なほど自分のことで頭が一杯の男として描写するものだが――必ずしも現実と異なるとはいえない」

SNLには現在、ケイト・マッキノン演じるジェフ・セッションズ司法長官、メリッサ・マッカーシー演じるショーン・スパイサー報道官など、大ウケしたモノマネが他にもあるが、ボールドウィンがいなくなれば大きな痛手だろう。アトランティックによれば、彼のモノマネは「間違いなく、視聴者が番組を観る最大の理由だ」。

【参考記事】サタデー・ナイト・ライブに「スパイサー報道官」が笑劇デビュー!

4月29日には、毎年恒例のホワイトハウス特派員協会主催のチャリティーディナーが行われる。ここ数年はコメディアンがホストを務め、大統領も出席してジョークを披露するのが慣例になっているが、トランプは欠席を表明している。エクストラのインタビューで、代わりにモノマネで出席してはどうかと尋ねられたボールドウィンはこう答えた。

「求められたらたぶんやると思うが、協会が頼んでくるとは思えない」

ホストを務めるのと、大統領として出席するのでは大違い。さすがにその可能性は低そうだが、もし"ボールドウィン大統領"が登場すれば、SNLとは比べものにならないほどの視聴率を獲得できるのではないだろうか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、東方に向け弾道ミサイル発射 韓国軍発表

ビジネス

ウェルズ・ファーゴCEO、信用状況「極めて良好」 

ワールド

中国とロシア、国連人権予算に繰り返し圧力 非営利団

ビジネス

ネットフリックス、四半期利益が予想届かず 株価約6
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない「パイオニア精神」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    増える熟年離婚、「浮気や金銭トラブルが原因」では…
  • 10
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中