最新記事

トランプ次期大統領

ブチ切れトランプが復活? コメディ番組のモノマネに激怒

2016年11月21日(月)18時10分
ニコラス・ロフレド

NBC Screenshot

<大統領選の勝利後、しばらく鳴りを潜めていたトランプのツイッター攻撃が復活。コメディ番組のモノマネでコケにされたのが我慢ならなかったらしい>(写真:NBC「サタデー・ナイト・ライブ」でトランプ役を演じるボールドウィン〔左〕)

 次期大統領に選出後、共和党主流派との「融和」路線を打ち出すなど比較的おとなしくしていたドナルド・トランプだが、選挙活動中の暴言を思い出させるようなツイッター攻撃がまた始まった。怒りを爆発させるまでの導火線も、再び短くなっている。

 先週末にターゲットとなったのは、毎週土曜深夜に放送される人気コメディ番組の「サタデー・ナイト・ライブ」。番組内のコーナーで、大統領職の大変さを思い知らされてパニックに陥るトランプを演じた俳優アレック・ボールドウィンのことがお気に召さなかったらしい。

【参考記事】トランプ次期大統領とともに躍進する右派ニュースサイト「Breitbart」

 トランプは、番組に関して次のようにツイートした。「昨夜のSNL(番組の略称)を見た。非常に不公平で偏った内容だ。全然、面白くない。イコールタイム(選挙の候補者は反論のためにライバルと等しい放送時間を与えられなければならない、という原則)はないのか?」

 歯に衣着せぬ発言で知られるリベラル派のボールドウィンはそれをあざ笑って、こう言った。「選挙はもう終わったんだ。イコールタイムはもう適用されない」。さらに、トランプが大統領らしく振る舞えば国民もそのように反応するだろう、と続けた。

 トランプは、ボールドウィンにかみつく前日、ブロードウェイの人気ミュージカル「ハミルトン」の出演者に対して、次期副大統領マイク・ペンスに謝罪しろとツイッターで恫喝したばかり。

webw161121-snl.jpg

カーテンコールで挨拶するミュージカル「ハミルトン」の製作者とキャスト(撮影は昨年8月) Lucas Jackson-REUTERS

 このミュージカルは、孤児の移民から苦難の末にアメリカ建国の父の1人になったアレクサンダー・ハミルトンをモデルにしたもの。カーテンコールでメインキャストの1人が、当日鑑賞したペンス(その時にはすでに客席を離れていた)に次のようなメッセージを読み上げた。「あらゆる人種、あらゆる宗教、あらゆる出自の者が讃えるこの物語にあるような多様性を、あなたの政権は守ってくれるのか。我々は不安でたまらない」

 ベテラン政治家のペンスは後に「気にしていない」とコメントしたが、最高権力者になるトランプが些細なことですぐにキレるのは、まさに不安の種だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾最大野党主席、中国版インスタの禁止措置は検閲と

ビジネス

ドイツ景気回復、来年も抑制 国際貿易が低迷=IW研

ワールド

台湾、中国の軍事活動に懸念表明 ロイター報道受け

ビジネス

市場動向を注視、為替市場で一方向また急激な動きもみ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 8
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 9
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中