最新記事

ドラマ

シャーロックとワトソンの名探偵コンビ、ドラマは衝撃の第4章へ(ネタばれ注意)

2017年2月8日(水)10時10分
トゥファエル・アフメド

magc170207-03.jpg

シャーロックの兄マイクロフトら常連に加えて今回は妹が登場 Courtesy of Laurence Cendrowicz / HARTSWOOD FILMS & MASTERPIECE

――第2話は最高だった。トビー・ジョーンズが殺人鬼のカルバートン・スミスを不気味に演じていて。放送中にツイッターをチェックしていたら......。

【ゲイティス】ちゃんとテレビを見なくちゃ!

【モファット】一瞬たりとも油断しないでくれ。スマホに目を落とした瞬間に......。

【ゲイティス】君は全てを見逃してる!

――観賞中はツイッター禁止?

【ゲイティス】当たり前だ。テレビから目を離すな!

【モファット】最終話には、90分に収まらないドラマが詰まっている。よそ見している暇はない。トイレも禁止。その場でしろ。

【参考記事】『ハウス・オブ・カード』が変えるドラマの法則

magc170207-04.jpg

シャーロックは殺人鬼という裏の顔を持つ実業家スミス〔中央左〕を追う Courtesy of Ollie Upton / HARTSWOOD FILMS & MASTERPIECE

――了解。ツイッターではスミスをジミー・サビル(およそ40年間に少なくとも72人の少年少女に性的虐待を加えていたことが死後発覚したBBCの元名物司会者)になぞらえる声があった。スミスは権力を悪用して人を殺すが、その悪事に世間は気付かない。

【モファット】有名人がいかに名声に守られているかを描きたかった。有名だからというだけでドナルド・トランプがアメリカ大統領になれる世界で、名声に隠蔽された悪を描くのは理にかなっていると思った。

【ゲイティス】悪人には悪人の自覚がない。スミスは確かにサビルに重なるが、特定の人物をモデルにしたくはなかった。スミスもそうだが、最近は記者会見を開き、「身に覚えがない」としらを切るやからが多過ぎる。世間が有罪だと騒いでも有名人は逃げおおせる。

――スパイアクションの要素が入った第1話を、ガーディアン紙は『007』映画みたいだと批判した。マーク、あなたはこれに反論する詩を書いた。

【ゲイティス】的外れなことを言われてカチンときた。驚いたことに、あの詩はどんな取材記事よりも反響を呼んだ。これからはもっと詩を書こうかな。

【モファット】原作者のコナン・ドイルも同じことをした。ホームズについて詩の形式でばかげた批判を書いた評論家に、ずっと出来のいい詩で逆襲した。

――『007』もどきと揶揄されて、どう思った?

【モファット】第1話には3分間だけ殴り合いのシーンがある。アクションシーンが3分しかないボンド映画があったら、教えてほしいね。最終話のアクションは......ま、見てのお楽しみ。

[2017年2月 7日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中