最新記事

ネットに広がる「フェイク・ニュース」― 嘘と真実の見分け方とは

2016年12月5日(月)15時00分
小林恭子(在英ジャーナリスト)

 嘘のニュースの作り手の意図はどこにあるのでしょうか。選挙運動であれば、どちらかの陣営に有利になるような情報を流すという目的が想像されます。でも、「思わず笑ってしまうようなニュースを読みたがっている人がいるから」(サウスエンド・ニュース・ネットワークの担当者談、BBC ニュース)という場合を別にすると、「お金儲けのため」という大きな理由があるようです。サイトを訪れる人が多くなればなるほど、フェイスブックのページやグーグルの「アドセンス」広告を通じて収入が増えてゆきます。バズフィードの記事(11月3日)はフェイク・ニュースサイトを作る、マケドニア共和国に住む10代の若者たちの声を紹介しています。トランプ陣営に有利なニュースの方が口コミ効果が高いので、クリントン陣営についての嘘のニュースを発信していたのだとか。

止められないフェイク専用サイト

 今のところ、こうしたサイトを完全に壊滅させる手立てはないようです。1つのサイトを閉鎖させても、また別の名前でサービスを開始してしまうからです。

 嘘のニュースを誤って共有しないための秘訣は、常識を働かせること。先のチョコレートの記事がこれに当たります。関連の記事があるかどうかを検索してみることも一つの手です。ほかに見つからなかったら、しばらく様子を見たほうがいいかもしれません。また、サイトのアドレスもチェックしてみましょう。例えば「.com」はよく見かけますが、「.com.de」はあまり見かけませんよね。写真の場合は、話の中心になっている写真をキャプチャーで切り取り、グーグルでこの写真に関連する情報を拾ってみるという手もあります。

 米大統領選後、フェイク・ニュースの流布に対して批判が発生したことで、フェイスブック、グーグル、ツイッターはそれぞれ事態改善の手を打つことを約束しています。

英国ニュースダイジェストより転載

[執筆者]
小林恭子(在英ジャーナリスト)
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英国債市場、イラン攻撃後の市場混乱でも正常に機能=

ビジネス

英中銀、銀行破綻処理計画の策定義務を緩和

ワールド

ベラルーシ大統領、北朝鮮と友好協力条約締結 「新た

ビジネス

OECD、26年の英成長率予想を大幅下方修正 イン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 7
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中