最新記事

フィリピン

フィリピン大統領就任90日のドゥテルテ、暴言でも国内世論は高い評価

2016年10月7日(金)17時42分

10月6日、就任90日を迎えたフィリピンのドゥテルテ大統領(写真)は、麻薬撲滅戦争や西側指導者に対する痛烈な批判で知られているが、最新国内世論調査では「大変良い」との評価を獲得したことが明らかになった。マカティ市で4日代表撮影(2016年 ロイター)

 就任90日を迎えたフィリピンのドゥテルテ大統領は、麻薬撲滅戦争や西側指導者に対する痛烈な批判で知られているが、6日に発表された国内世論調査では「大変良い」との評価を獲得したことが明らかになった。

 民間調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーション(SWS)が国民1200人を対象に実施した調査によると、大統領の仕事ぶりに対して「不満足」との回答は、わずか11%にとどまった。

 ドゥテルテ大統領に対して「満足」と回答した76%から「不満足」と回答した数を差し引き、端数を切り捨てて計算した「純満足度」は64%に達しており、前任のアキノ、エストラーダ、アロヨといった歴代大統領よりも幸先の良い政権スタートを切っている。ただ、1992年に当時のラモス大統領が獲得した66%には及ばなかった。

 同世論調査では、純満足度70%以上を「極めて良い」、50-60%を「大変良い」と定義している。今回の調査では13%が評価を決めていないと回答した。

 SWS調査では評価の理由を質問していない。調査は対面方式のインタビューで9月24日から27日に行われた。これは自らの麻薬撲滅運動を批判するオバマ米大統領に対して、ドゥテルテ大統領が侮蔑発言を行い米比首脳会談が中止された後の実施だが、中国とロシアとの新たな同盟を検討していると発言する以前のものとなる。

 民間調査機関パルス・アジアの調査によると、同大統領は6月30日の就任から1カ月足らずで史上最高となる91%の支持率を獲得した。これら2つの世論調査は比較できない。

 ドゥテルテ大統領は、ダバオ市長時代に始めた犯罪取り締まり推進を訴え、5月9日の大統領選において大差で勝利。同市長時代には「パニッシャー(私刑執行人)」「ドゥテルテ・ハリー」の異名で知られている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む

ビジネス

SOMPO、農業総合研究所にTOB 1株767円で

ワールド

中国、米国の台湾への武器売却を批判 「戦争の脅威加
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 9
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中