最新記事

シリア

シリア内戦の死者数30万人、その内訳が発表された

2016年9月14日(水)17時15分
青山弘之(東京外国語大学教授)

9月10日、空爆をうけたシリア北西部イドリブ Ammar Abdullah-REUTERS

 シリア人権監視団は、2011年3月18日以降の紛争での死者数が2016年9月12日の段階で、30万人を越えたと発表した。

 同監視団によると死者総数は30万1,781人。

 内訳は民間人が8万6,692人(うち18歳未満の子供が1万5,099人、18歳以上の女性が1万18人)。
 武装集団、イスラーム主義集団、シリア民主軍の戦闘員が4万8,766人。
 シリア軍離反兵が3,593人。
 シリア軍将兵が5万9,006人。
 国防隊、バアス大隊、人民諸委員会、パレスチナ解放軍、シリア民族社会党、アラブ民族護衛隊、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線、シャッビーハ、政権への内通者が4万1,564人。
 ヒズブッラー戦闘員が1,321人。
 イラン、アフガニスタンなどアラブ・アジア諸国出身のシーア派戦闘員、パレスチナ・クドス旅団戦闘員が5,163人。
 レバノン、イラク、パレスチナ、ヨルダン、湾岸諸国、北アフリカ諸国、エジプト、イエメン、スーダン、ロシア、中国、欧州諸国、インド、アフガニスタン、チェチェン、コーカサス、米国、オーストラリア、中央アジア出身のイスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルコマン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、チェチェン・シャームの兵などの戦闘員5万2,031人。
 身元不明:3,645人。

 また上記死者総数のほか、シリア国内の刑務所の収監者の死者数が約6万人に達し、うち1万4,456人(こども110人と女性53人を含む)が拷問によって死亡したという。

【参考記事】1万7000人が殺され、今も殺され続けているシリアの刑務所はこんなところ

 さらにシリア軍、親政権武装集団が拉致した約5,000人と反体制武装集団、ダーイシュ(ISIS)、ヌスラ戦線が拉致した約2,000人が行方不明だという。

 なお、外国人戦闘員の死者数は7万人以上におよぶとの推計もあり、これらの死者数も合わせると、総数は43万人におよぶという。




AFP, September 13, 2016、AP, September 13, 2016、ARA News, September 13, 2016、Champress, September 13, 2016、al-Hayat, September 14, 2016、Iraqi News, September 13, 2016、Kull-na Shuraka', September 13, 2016、al-Mada Press, September 13, 2016、Naharnet, September 13, 2016、NNA, September 13, 2016、Reuters, September 13, 2016、SANA, September 13, 2016、UPI, September 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

※当記事はシリア・アラブの春 顛末記:最新シリア情勢からの転載です。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国軍、台湾包囲の大規模演習 実弾射撃や港湾封鎖訓

ワールド

和平枠組みで15年間の米安全保障を想定、ゼレンスキ

ワールド

トルコでIS戦闘員と銃撃戦、警察官3人死亡 攻撃警

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中