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大ヒット映画『ニモ』の続編は、陽気なドリーのディープな過去

2016年7月15日(金)16時00分
デーナ・スティーブンズ

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子供のときから物忘れがひどかったドリー ©2016 DISNEY/PIXAR ALL RIGHTS RESERVED

 映画は冒頭のシーンから、ドリーのひどい物忘れがドジな性格によるものではなく、生まれながらの記憶障害のせいであることを明かす。両親は幼いドリー(猛烈にかわいい)に、迷子にならないようにするコツを優しく教えようとする。

「とにかく泳ぎ続けるの。泳ぎ続けるのよ」と、母親はメロディーを付けてドリーに言い聞かせる。『ファインディング・ニモ』を見た人なら、ドリーがピンチになったとき口ずさむ歌だと、ピンとくるかもしれない。

 ところが小さなドリーは、両親の言い付けを忘れてしまい、海藻が生い繁る安全な入り江から外海へと押し流されてしまう。こうして「家」があった場所も両親も思い出せないドリーは、独りぼっちで生きていくことになる。広大な海に漂うちっぽけなドリーの姿は、その孤独を見る者に強く印象付ける。

 あるときドリーは、一人息子が人間にさらわれて取り乱すマーリンに出会う。『ファインディング・ニモ』で描かれた場面だ。用心深いマーリンは楽天的で型破りなドリーのおかげで、自分だけでは考えられないような大胆な作戦を試みて、見事ニモの救出に成功する。以後、ニモ親子はドリーにとって第二の家族のようになる。

【参考記事】画期的ホラー『死霊館』の続編で、ひと味違う背筋の凍る体験を

 それから1年後のある日、ドリーは自分にも優しい両親がいたことを思い出し、捜しに行くと言いだす。マーリンは安全なオーストラリアのグレートバリアリーフを出ることを渋るが、ニモに説得されてドリーの家族捜しを手伝うことになる。目指すはカリフォルニアだ。

かすかな記憶をたどって

 アオウミガメのクラッシュの甲羅に乗せてもらい、一行はモロベイにある海洋生物研究所(モデルは明らかにモンテレー湾水族館だろう)近くに到着する。ところが、ひょんなことからドリーはニモ親子と離れ離れになってしまう。

 ドリーは海洋生物研究所の職員に拾われ、その水族館にいたジンベエザメやシロイルカと友達になる。私が一番気に入ったキャラクターは、7本足のタコのハンクだ。ハンクは色や形を自在に変えて、ドリーを研究所内のいろいろな場所に案内し、記憶を取り戻すのを手伝う。

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