最新記事

朝鮮半島

米、高高度防衛ミサイルの韓国配備を実行へ

2016年6月3日(金)09時44分

6月2日、カーター米国防長官は、高高度防衛ミサイルの韓国配備計画が実行に移されると述べた。写真はワシントンで4月撮影(2016年 ロイター/Jonathan Ernst)

 カーター米国防長官は2日、訪問先のシンガポールで記者団に対し、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国への配備計画が実行に移されると述べた。近く発表できるだろうとした。

 カーター長官は、アジア安全保障会議に出席するためにシンガポールを訪れている。長官は4日に韓国の国防相と個別に会談し、そこでTHAADの配備について話し合うとした。計画は「動き出しており、議論しなければならないことはそう多くはない」とも付け加えた。

 長官は「世界のほとんどは引き続き北朝鮮のミサイルを巡る動きを懸念している」と強調。「実験の結果がどうあれ、彼らがミサイルを飛ばそうとしているという事実は残る。そのことは決定的な事実だ」とした。

 THAADシステムに必要なレーダーの朝鮮半島への設置には、中国が同国の弾道ミサイルシステムによる抑止力を低減させ、地域における力のバランスを崩すと懸念を示している。

 これについて、カーター長官は「米国と韓国という同盟国同士の判断であり、われわれを北朝鮮のミサイルから守るための決断だ。われわれが下した一連の結論のひとつであり、北朝鮮に対するわれわれ自身の防衛のためだ。そのことを皆が理解しなければならない」と述べた。

 防衛関連の別の米政府高官は「技術的に解決しなければならない問題は多い」と指摘。配備に向けた韓国側との協議は続いているとした上で「近く発表することになるだろう」述べた。

[シンガポール 2日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
 

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中