最新記事

インタビュー

【再録】マイケル・ジョーダンの思春期、ビジネス、音楽趣味......

「女の子にもてなかった」「自分の足跡を残したい」「ラップは聴かない」など、大リーグ転向から復帰後、バスケの神様が単独取材で語った私生活

2016年3月25日(金)18時38分

まさに「神」だった マイケル・ジョーダンはNBAで3連覇を成し遂げ、引退して大リーグに挑戦し、古巣に復帰してさらに2度優勝。その後、また引退、2度目の現役復帰、3度目の引退と経験していくが、一方でナイキと組んだ「ジョーダン」ブランドが大成功するなど多方面で活躍した(シカゴ・ブルズ時代、1992年撮影) Gary Hershorn-REUTERS


ニューズウィーク日本版 創刊30周年 ウェブ特別企画
1986年に創刊した「ニューズウィーク日本版」はこれまで、政治、経済から映画、アート、スポーツまで、さまざまな人物に話を聞いてきました。このたび創刊30周年の特別企画として、過去に掲載したインタビュー記事の中から厳選した8本を再録します(貴重な取材を勝ち取った記者の回顧録もいくつか掲載)。 ※記事中の肩書はすべて当時のもの。

※このインタビューを行った記者の回顧録はこちら:【再録】マイケル・ジョーダンは私を抱きしめて言った

[インタビューの初出:1997年10月1日号]

 NBA(全米プロバスケットボール協会)のシカゴ・ブルズで3連覇を成し遂げた後、突如引退して大リーグに挑戦。1年半後に古巣に戻ると、さらに優勝2回――マイケル・ジョーダンは、まさに「神」だった。

 97年、アパレルなどを扱う「ジョーダン」ブランドをナイキと共同で設立すると発表したジョーダンに、本誌アリソン・サミュエルズが話を聞いた(記者の回顧録はこちら)。葉巻をくゆらせながら独占インタビューに応じたジョーダンは、このシーズンもチームを優勝に導き、シーズン終了後に2度目の引退を発表した。

◇ ◇ ◇

■ジョーダン・ブランドについて

「エアジョーダン」が成功していたから、これを始めるのは自然の成り行きだった。引退後もバスケットやファンとかかわり続けられるようなことに取り組みたかった。

 でも監督や解説者など、ありきたりな仕事は嫌だった。コートのそばにいなくても自分の足跡を残せることをしたかった。

■製品とのかかわりについて

 ナイキのデザインチームは、よく私の家に来る。しばらく議論してから、私の車を見たり、クロゼットをのぞいて、私という人間をよく知ろうとする。その結果を製品に反映させる。やりがいはあるが、てんてこ舞いの忙しさだ。

■「エアジョーダン」の価格(150ドル)が高いという声について

 気になった。子供たちには「どうしてそんなに高いの?」と聞かれるし、親たちからもたくさん電話をもらった。今では、いろんな価格帯からシューズを選んでもらえるはずだ。

■引退について

 その話はシーズンが始まったら考える。まだ引退するつもりはない。でも、去るべきときだと思ったら、きれいに去る。大丈夫だ。

■引退後の生活について

(野球に転向して)NBAを1年半離れたとき、自分の時間とはどういうものかわかった。バスケット以外の時間の使い方を知った。

■今シーズンのブルズについて

 手ごわい相手は思い浮かばない。まだ何度か優勝する力はあるし、そうしてみせる。

■ニュージャージー・ネッツの選手ジェイソン・ウィリアムズが、ジョーダンの「ナイスガイ」イメージはまやかしであり、本当は「敵意むきだし」でプレーすると語ったことについて

(ばかばかしいと言いたげに笑って)確かに負けず嫌いだが、「敵意むきだし」ということは絶対にない。本当に怒るようなことがあれば「敵意」ももつだろうが、今までそうなったためしがない。

 きっと南部でのんびり育ったからだと思う。祖父母によく言われたものだ。「行動する前に考えろ。自制心を忘れるな」と。いつも肝に銘じている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

林官房長官が政策発表、1%程度の実質賃金上昇定着な

ビジネス

アングル:FRB「完全なギアチェンジ」と市場は見な

ビジネス

野村、年内あと2回の米利下げ予想 FOMC受け10

ビジネス

GLP-1薬で米国の死亡率最大6.4%低下も=スイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中