最新記事

ISIS

ツイッターを締め出されたISISの御用達アプリ

ロシア製メッセージアプリ「テレグラム」で地下に潜るISIS

2016年2月12日(金)17時00分
アンソニー・カスバートソン

神出鬼没 ISISはネット利用をますます加速させている Dado Ruvic-REUTERS

 ISIS(自称「イスラム国」、別名ISIL)が、ロシアで開発されたメッセージアプリ「Telegram(テレグラム)」内に「ヘルプデスク」を開設した。テレグラムは、高度に暗号化されたテキストや動画を手軽に共有できるアプリ。戦闘員にその使い方を指導し、ネット監視を回避できるようにするためだ。

 アメリカの研究機関、中東報道研究機関(MEMRI)の報告書によると、ISISのサイバーセキュリティの専門家は先月末、「電子地平線財団(EHF)」という名前のグループを立ち上げた。

 EHFは「ネットセキュリティや技術的な注意事項をムスリムの同胞たちに提供する」という。

【参考記事】米政府ツイッターのIS残虐情報は嘘だらけ

 監視するほうにとっては由々しき事態だ。報告書によると、「ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)たちは長らく技術的な情報を必要としてきたが、これまではパスワードで保護された仲間内のフォーラムに限られていた。しかし今では、情報入手の自由と容易度が高まり、監視の目が行き届かない恐れが強まっている。暗号で保護された個人アカウントとなれば尚更だ。」

【参考記事】フェイスブックに友達を売ってない?

 現時点で、テレグラムのEHFの個人チャンネルには、約2200人のメンバーが登録している。ツイッターを締め出されたISISが、プロパガンダ拡散と戦闘員募集の主な手段としてテレグラムを使い始めたために、テレグラムに対する批判は高まっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

セブン銀と伊藤忠が資本業務提携 ファミマにATM設

ワールド

トランプ氏、日韓の対米投資「前払い」 見解の相違と

ビジネス

ニデック、 有価証券報告書を提出 監査意見は不表明

ビジネス

ECB、新たなデジタルユーロ実証実験を来年実施
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 8
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 9
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中