最新記事

難民危機

難民は「未来の熟練工」、ドイツ高齢化の救世主か?

ヨーロッパを震撼させる難民問題、だが果たして彼らは本当に招かれざる者なのか──

2015年9月11日(金)16時30分

9月10日、欧州諸国の多くが難民・移民の大規模な受け入れは自国経済に損失をもたらし得ると考える一方で、ドイツは記録的な難民流入に頼ることで自国を救おうとしている。写真は独ドルトムントの床張り会社で見習いとして働くエリトリア出身の男性。8月撮影(2015年 ロイター/Ina Fassbender)

[ドルトムント/ベルリン 10日 ロイター] - 欧州諸国の多くが難民・移民の大規模な受け入れは自国経済に損失をもたらし得ると考える一方で、ドイツは記録的な難民流入に頼ることで自国を救おうとしている。

死亡数が出生数を上回るなか、ドイツの労働人口は2030年までに600万人減少する見通しで、持続的な経済成長を危うくしている。

「われわれのところにやって来る人々を早急に訓練し、仕事に就かせることができれば、熟練労働者の不足という、わが国経済の未来にとって最大の課題の1つが解決するだろう」とガブリエル副首相兼経済・エネルギー相は10日、議会で語った。

ドイツは年内に約80万人の移民を受け入れる予定だ。移民で不足を埋めつつ、人口を維持するのはドイツ政府にとって簡単なことではないだろう。だが、多くの企業はすでに彼らに期待のまなざしを向けている。

ドイツ西部の都市ドルトムントで小さな床張り事業を営むダニエル・コックさんは、研修生を探して1年がたったころ、地元の手工業会議所(HWK)から難民を引き受ける気はないかと聞かれた。

その後、コックさんのところには31歳のエリトリア出身の男性が派遣された。男性には床張りの経験は全くなかったが、2週間に及ぶ試用期間を経て、2018年まで見習いとして働くことになったという。

「期待していたわけではなかったが、能力があったし仕事熱心だった」と、コックさんは話す。コックさんは、これまで数え切れないほど満足のいかない研修生を受け入れてきたという。

ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッシャー所長は、同国で過去5年間に新たに創出された雇用約150万人の3分の2以上が移民で占められたとし、「ドイツの経済力を維持したいなら、労働者が必要だ」と指摘した。

MAGAZINE

特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

2019-6・18号(6/11発売)

「全米最高の教授」サム・ポトリッキオが説く勝ち残るリーダーになるための処方箋

人気ランキング

  • 1

    自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

  • 2

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 3

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    北朝鮮の若者が美貌の「文在寅の政敵」に夢中になっ…

  • 6

    アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

  • 7

    【動画】米軍、イラン革命防衛隊が日本のタンカーか…

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    世界に誇る『ゴジラ』シリーズ化の原点は、1955年公…

  • 10

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府…

  • 1

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 2

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 3

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

  • 4

    自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きても…

  • 5

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 6

    香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

  • 7

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

  • 10

    自殺した人の脳に共通する特徴とは

  • 1

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 2

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 3

    マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

  • 4

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 5

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 6

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

  • 7

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 8

    トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

  • 9

    脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

  • 10

    人類史上最も残虐な処刑は「首吊り、内臓えぐり、仕…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月