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専守防衛を捨てたドイツ軍の行く先は

2013年11月12日(火)15時33分
ジェーソン・オーバードーフ

 ところが過去15年間に、後方支援から始まった外国紛争での役割が拡大。また11年の徴兵制の廃止により、軍事行為に抵抗感のある兵士はいなくなり、志願して入隊してくる者ばかりになってしまった。

 国防省は、軍事費削減と優秀な人材確保のために軍の改革が必要だと主張。18歳の人口は90年に比べて半減した一方で、近年の紛争地には意欲と即戦力を持つ志願兵がふさわしいという。

 他方、軍の改革を危惧する人たちは、国防省がそんな考え方だから、コソボ、アフガニスタン、イラクという「侵攻戦争」に加担する羽目になったのだと訴える。国外派兵が可能になった今、大戦後のドイツ軍の誓いとして残っているのは、兵士の良心と不服従が認められる権利だけなのかもしれない。

 アフガニスタンでの任務を拒んだローゼによると、その後空軍は彼の代わりを探して何事もなかったように作戦を遂行した。ローゼは言う。「兵士1人の力では軍隊という巨大なマシンを止められない」

From GlobalPost.com特約

[2013年11月12日号掲載]

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