最新記事
考古学

琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1億1200万年前の「太古の森」の秘密が明らかに

South American Amber Discovery Opens Window to 112-Million-Year-Old Forest

2025年9月25日(木)18時08分
レイチェル・オコナー
琥珀のイメージ

Safwan Thottoli-Unsplash

<南米エクアドルでの珍しい発見に、白亜紀の森の秘密を解き明かすカギが隠されているかもしれない──>

エクアドルで、複数の昆虫が含まれる1億1200万年前の琥珀が発見され、太古の森の秘密に迫る手がかりとなっている。

【動画】現在の大陸の3分の2が一体化...超大陸「ゴンドワナ」はどんな形で、どんな風に動いた?

この時代、地球は白亜紀にあり、南米大陸はゴンドワナ(Gondwana)と呼ばれる超大陸の一部だった。現在のエクアドルの地には、豊かな生態系を持つ原始的な森が広がっていた。

樹木は樹液を分泌し、条件が整えばそれが硬化して琥珀となる。運悪くその樹脂に閉じ込められた昆虫や植物片は、驚くほど良好な状態で化石化され、絶滅した生物を観察できる手段となる。

エクアドルでの琥珀の鉱床の発見は重要だ。というのも、これまで化石化した樹脂の多くは北半球からしか見つかっていなかったからだ。

研究チームは採掘場で2種類の異なる琥珀を発見した。ひとつは地中で樹木の根のまわりに形成されたもので、もうひとつは樹脂が空気にさらされて硬化したものだった。

調査では60点の琥珀サンプルを分析。そのうち21点に、5つの昆虫の目(もく)に属する化石が含まれていた。ハエ、カブトムシ、アリ、ハチなどの昆虫に加え、クモの巣の一部とみられる痕跡も確認された。さらに、胞子や花粉など、植物の化石も琥珀の中から見つかっている。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米8月の財貿易赤字、16.8%減の855億ドル 輸

ビジネス

FRBバランスシート、可能な限り縮小を=カンザスシ

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、追加緩和前倒しに慎重 先週の利下

ビジネス

米GDP、第2四半期確報値3.8%増に上方改定 輸
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 2
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 3
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 4
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 5
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 6
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 7
    iPhone17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Ap…
  • 8
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 9
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 9
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中