ブラックホールが「弾丸」のようなガスを連射...宇宙に吹き荒れる超高速の風とは?
Supermassive Black Hole Fires Gas 'Bullets' - Never Seen Before
超大質量ブラックホールとは何か?
超大質量ブラックホールとは、太陽の数百万倍から数十億倍の質量を持つ巨大なブラックホールのことだ。
これより小さなブラックホールでもそうだが、超大質量ブラックホールでは、高密度の質量が時空面を歪める。「事象の地平面」と呼ばれる領域の向こう側では、光を含む、いかなるものも、重力から逃れ出ることができない。
天文物理学者は、すべての銀河の中心にこの超大質量ブラックホールがあり、その銀河と共に進化しているのではないかと考えている。
しかし、こうした共進化の関係が、正確にはどのようなメカニズムに支えられているのかは明確になっていない。特に、ブラックホールと対をなす銀河の本体を比較した場合、その質量と大きさが大幅に異なる点が疑問の焦点となってきた。
中央のブラックホールが銀河に与える影響のメカニズムは?
銀河とその中心にあるブラックホールに関する、この不可解な関係を解明する上でカギを握るのは、ブラックホールの周辺から発される、高いエネルギーを持つ「風」の性質の解明だと、研究チームは述べている。
この風は、2つの経路で、超大質量ブラックホールと銀河の連携した進化の仲立ちをしていると考えられている。
第1に、この風は、ブラックホールの糧となる物質の流入を阻み、その成長を減速させる。第2に、ブラックホールが、自らの周囲を取り囲む銀河に対して膨大なエネルギーを噴射し、これが恒星の形成を阻害している可能性がある。