トランプやマスクが目指す「人類の火星到達」の本当の実現度...彼らが見落とす宇宙旅行の「現実」とは?

ALL SYSTEMS GO

2025年5月15日(木)17時10分
ジョシュア・レット・ミラー(本誌調査報道担当)

newsweekjp20250515031105-5357170528e3dec147211f7db2681c1f88f3edfd.jpg

火星は最接近時でも5630万キロのかなた ILLUSTRATION BY SCIEPROーSCIENCE PHOTO LIBRARY/GETTY IMAGES

マスクの考えによれば、人類の存続を危うくする避け難い脅威(小惑星の衝突、核戦争、破滅的な自然災害など)から逃れるための道が火星への入植だという。「少なくとも火星に都市を建設して多惑星文明を築くべきだ。この点は、文明を長く存続させる上で途方もなく重要なことだと思う」と、2月に出演したポッドキャストの番組で語っている。

NASAは、月探査を推し進める姿勢を崩していない。マスクの主張とは異なり、月か火星かという二者択一の状況ではないと主張しているのだ。「現在のNASAのアプローチでは、アルテミス計画の下で月探査を行うことが将来の火星探査への準備になると位置付けられている」と、NASAの広報担当者は本誌に書面でコメントを寄せた(トランプ政権とスペースXは、本誌の再三の取材要請に応えていない)。


マスクは前出のポッドキャストの番組で、スペースXは来年11~12月に火星に向けて無人の宇宙船を打ち上げることを目指すと語っている。この時期は、火星と地球が最も近づく直近のタイミングだ。

「まずは火星に無事に着陸できるかどうかを試す」と、マスクは述べている。「(宇宙船が火星の地表に激突して)火星の地面の穴を増やす結果になったとすれば、人間を乗せた宇宙船を送ることにはいくらか慎重にならざるを得ない」

克服すべき課題は山積み

最初の無人探査が成功すれば、26カ月後に火星と地球が次に最も接近する際に、つまり28年12月もしくは29年1月に宇宙飛行士を火星に送りたいと、マスクは考えている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

メルツ独首相、中銀への政治的圧力を懸念 「独立性が

ワールド

トランプ政権の駐ベトナム大使が交代へ、対米黒字縮小

ワールド

日韓首脳、高市氏の地元・奈良で会談 李大統領「中日

ワールド

韓国、年初の外平債発行検討 外貨準備増強=関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中