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開発が進む最新軍事テクノロジー「昆虫サイボーグ」【未来予報図03】

2022年3月10日(木)16時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
昆虫サイボーグ

写真はイメージです posteriori-iStock.

<マイクロコンピュータをつなぎ、生きている昆虫の行動を操るサイボーグの研究開発が進んでいる。予想される用途は、軍事攻撃から浮気調査まで。一体どんなテクノロジーなのか>

透明人間サービス、臓器チップ、料理テック、空飛ぶタクシー、体温発電、見たい夢を見る装置、深海未来都市......。

これらはすべて、齊田興哉氏の新刊『ビジネスモデルの未来予報図51』(CCCメディアハウス)で取り上げられているテクノロジーだ。

齊田氏はJAXA(宇宙航空研究開発機構)で人工衛星の開発に携わった後、宇宙ビジネスに関する専門家として活躍。多方面の最新テクノロジーに精通しており、テクノロジーの発展と、それによって起こるビジネスモデルの変化を知り、仕事やキャリアに生かしてほしいと話す。

テクノロジーは驚くべきスピードで「進化」している。今も世界中の企業が、SFを思わせるような未来のテクノロジーを開発しているが、それらによって未来のビジネスがどう変わっていくかは、実はある程度「予測」できる。

ここでは、『ビジネスモデルの未来予報図51』(CCCメディアハウス)から3回にわたって抜粋する。51の最新テクノロジーとそれらの「ビジネスの未来予報」を分かりやすく解説した1冊だ。

抜粋の第3回は、昆虫サイボーグについて。

※第1回:2030~2040年には、犬・猫との双方向の会話が実現する【未来予報図01】
※第2回:世界を変えるテクノロジー、「台風の制御」実現は遠い未来ではない【未来予報図02】

◇ ◇ ◇

昆虫の行動を、マイクロコンピュータで操る

昆虫サイボーグとは、昆虫の体もしくは体の一部とマイクロコンピュータの電子回路系を接続し、行動をコントロールするもの。まるで漫画の人造人間のように、生きている昆虫の一部を改造して、生きたまま操る。そんな姿をイメージしていただいて構わない。

昆虫サイボーグのメリットは、小型で低コストであることと、大量生産に適していることが挙げられる。

日本のLESS TECHは、昆虫サイボーグを開発している。昆虫サイボーグにあらかじめインプットされたアルゴリズムによって、自動で障害を避けたり越えたりして、目的地まで移動できる。

昆虫サイボーグには、あらかじめ決められたS字や8の字に沿って移動することや、ある限定された領域に留まること、ジョイスティック(スティックを傾けることで、方向を操作したり制御したりする装置のこと)を使って遠隔で操作できることなどがインプットされている。また、約10cm/sのスピードで動くことができるという。

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