最新記事
SDGsパートナー

環境貢献度の可視化が「重要な一歩」...ストレージ王が描く循環型トランクルーム業界の未来

2025年10月16日(木)10時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
ストレージ王のコンテナ再利用プロジェクトのビジュアル

コンテナ再利用プロジェクトのビジュアル

<コンテナの再利用に取り組むストレージ王だが「それだけ」では終わらない。業界初のCO₂削減量の測定・公表で見えた「本質的な価値」とは?>

日本企業のたとえ小さな取り組みであっても、メディアが広く伝えていけば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。そのような発信の場をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版が立ち上げた「SDGsアワード」は今年、3年目を迎えました。

私たちは今年も、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

局地的な豪雨による洪水や砂漠化、山火事や竜巻の多発──地球温暖化による気候変動で、あらゆる都市が異常気象に見舞われている。日本も例外ではなく、社会インフラや都市機能への影響は深刻だ。

あらゆる業界でCO₂排出量の削減が求められるなか、トランクルーム業界から株式会社ストレージ王が立ち上がった。

1800キロメートルの海上輸送を回避

東京都と岡山県を中心に、全国208店舗で約1万2000室以上の個人・法人向けトランクルームを展開するストレージ王が打ち出すのは、スクラップ&ビルドに依存しない循環型の事業モデルだ。

トランクルーム業界では、新店舗開設のたびに海外で新造したコンテナを輸入することが多い。そのため、製造工程と海上輸送の双方でCO₂が排出され、サプライチェーンの海外依存も避けがたい。

こうした状況を変えるべく、ストレージ王は環境負荷低減と資源循環促進に照準を合わせ、「コンテナ再利用プロジェクト」を立ち上げた。

きっかけは昨年の東京都足立区谷在家(やざいけ)トランクルームの移転だった。同社では通常、損傷が激しいコンテナを廃棄した上で、そうではないコンテナは再利用している。谷在家の作業に際しても、16本の20フィートコンテナを選別。塗装・整備を行い、今年6月にオープンした静岡県袋井市の「袋井湊トランクルーム」へ移設した。

ストレージ王の「谷在家トランクルーム」

谷在家トランクルーム

中国から新たなコンテナを輸入する代わりに、日本国内での再利用を選択したことで、中国・上海港から東京港までの約1800キロメートルの海上輸送を回避し、CO₂排出量を大きく抑えることに成功した。

コンテナの再利用はトランクルーム業界内でも散発的に行われてきたが、注目すべきはストレージ王が環境効果を定量的に測定し、公表した点だ。これは、トランクルーム業界としては初の試みだった。

「真の環境貢献度を可視化することで、トランクルーム業界全体の脱炭素経営をリードしたいという想いがありました」と同社経営企画室の坂上正洋氏は語る。

同社では、谷在家トランクルームの事例について、国土交通省の「陸上交通評価値算定調査」と経済産業省の「サプライチェーン排出量算定ガイドライン」に基づき算定を行った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ベライゾン、過去最大の1.5万人削減へ 新CEOの

ビジネス

FRB、慎重な対応必要 利下げ余地限定的=セントル

ビジネス

今年のドル安「懸念せず」、公正価値に整合=米クリー

ワールド

パキスタン、自爆事件にアフガン関与と非難 「タリバ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中