最新記事
SDGs

サステナブルな未来へ 「チェンジ・ナウ」が示した環境テクノロジーの現在地

2025年5月13日(火)19時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)
ナタリー・ポートマン

閉会式に出席した女優のナタリー・ポートマン Photo © www.sebastiendelarque.com

<パリ協定10年目の節目に世界中から集まった企業が持続可能な社会への道筋を示した>

毎年春に恒例の国際的な環境対策サミット「チェンジ・ナウ(ChangeNOW)」が、4月の終わりにパリで開かれた。2017年に初開催されて以来、今回ですでに8回目となるこのイベントは、SDGs達成に向けたあらゆる取り組みを支援しており、世界中から参加した企業やNGOの顔ぶれは実にさまざま。最終日は一般公開され、参加者は4万人を超えた。

グラン・パレ

チェンジ・ナウの会場はパリの名建築の1つ、グラン・パレだった Photo ©Vincent MACHER

環境活動家としても知られるナタリー・ポートマンも登場

チェンジ・ナウには設立数年のスタートアップから大手企業までが集い、環境保護の実践・戦略や、個性を最大限に生かすインクルージョンの事業を紹介する。多くの投資家たちも参加し、ビジネスネットワークを拡大できる3日間だ。

会場には、エネルギー、ファッション、生物多様性、ヘルスなど18の分野にわたって数百の展示ブースが並び、随所に設けられたステージでは1日中トークセッションが繰り広げられた。ワークショップや個別のミーティングも行われ、国別展示ではオランダ、ウクライナ、南アフリカの3カ国が出展した。

ロレアルグループの展示

世界最大の化粧品会社ロレアルグループも参加。レフィル(詰め替え用品)の推進や、水を使わずに花の香りを抽出する新技術などを展示(「習慣の変化」の分野にて) 画像©Laure Dns

今年は、地球の平均気温の上昇を1.5℃に抑えることを目指す「パリ協定」が2015年に採択されてから10年目にあたる。それを記念し、協定をまとめたローラン・ファビウス元仏外相など協定の立役者たちも招待され、"皆で協力し、社会をサステナブルな方向へ変えていこう"というサミットの趣旨が改めて確認された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランの核兵器保有決して容認せず、「最も破壊的な勢

ビジネス

トランプ氏、利下げ再要求 実質的に全ての物価が下落

ワールド

中国・ブラジル首脳、自由貿易重視で一致 北京で会談

ワールド

トランプ氏、対シリア制裁解除と表明 暫定大統領と1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」にネット騒然
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 6
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    トランプは勝ったつもりでいるが...米ウ鉱物資源協定…
  • 9
    「奇妙すぎる」「何のため?」ミステリーサークルに…
  • 10
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中