最新記事
SDGsパートナー

「エシカル印刷」へ 地元を巻き込み発展する、近藤印刷の「地域共創×循環経済」の実践

2025年1月10日(金)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
「エシカル印刷」へ 地元を巻き込み発展する、近藤印刷の「地域共創×循環経済」の実践

1954年に創業した名古屋市中川区の老舗印刷会社、近藤印刷。地元で培った信頼をもとに、時代の変化にあわせた事業転換を地域と連携して進める

<脱プラスチックの逆風に直面した名古屋の老舗印刷会社が大胆な事業転換を決断。歴史ある中川運河の地域を巻き込んで、文化・環境保全の新プロジェクトを拡大していく>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


株式会社近藤印刷は、近年の脱プラスチックの潮流を受けて、フィルム印刷を強みとした従来の事業から「エシカル印刷」へと方針転換し、環境に配慮した素材を用いたエシカルグッズの制作や、地域の循環経済のエコシステム構築を目指した事業に取り組んでいる。

「エシカル印刷」へと脱プラスチックの潮流の中で社運をかけて経営の舵を切った

newsweekjp20250108101358-c0b84fa7ae1348d9456cdb868f0a24e6a4d45255.jpg

全長約8.2キロの中川運河は、名古屋の工業都市としての発展のため昭和初期に開通した。最盛期には「東洋一の大運河」と呼ばれた

昨今、プラスチックが引き起こす海洋汚染や大気汚染などの環境問題が深刻化しており、プラスチックの削減や資源の再利用推進の動きが世界的に加速している。印刷業界でも、ノベルティの印刷に使用するプラスチック削減や代替素材の導入など、脱プラスチック化が進んでいる。

こうした中で、愛知県名古屋市の老舗印刷会社である株式会社近藤印刷は、強みだったフィルム印刷から「エシカル印刷」に経営の軸を転換。風土づくり事業を新たに立ち上げ、地域における循環経済の構築を目指す取り組みを展開する。

「当社の主力事業はクリアファイル印刷でしたが、2020年から加速した脱プラスチックの流れでプラスチック製品が社会悪と見なされるようになり、注文が一気に激減。PRで配られるクリアファイルは最終的に捨てられることも多く、大量生産・大量消費の片棒を担ぐような仕事はしたくないと感じ、会社存続のために経営の方針転換を決断しました」と、代表取締役社長の近藤起久子氏は語る。

事業変革にあたって、同社は環境に配慮した素材を用いたグッズ制作ができる工房や、SDGs検定に合格した社員らを中心にしたエシカル推進室を開設。ものづくり体験や工場見学ができる環境を整え、再生PET素材や間伐材を用いたしおりやキーホルダー、捨てられる衣類の繊維をアップサイクルした紙を使用して制作したノートなど、エシカルグッズの開発に取り組んでいる。

印刷会社の枠を越えた、地域を巻き込むサステナビリティ事業を推進

近藤印刷の位置する中川運河エリアは、名古屋港と市中心部を結ぶ水運物流の軸として、古くから名古屋の産業を支えてきた地域だ。そこで同社は循環経済への取り組みの一環として、この地域における地域共創による循環経済に貢献する取り組みも展開している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、FOMC通過で ダウ上昇

ビジネス

米0.25%利下げは正しい措置、積極緩和には警鐘 

ビジネス

BofA、米国内の最低時給を25ドルに引き上げ 2

ビジネス

7月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比4.
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中