最新記事
SDGsパートナー

風土改革からSDGs推進へ、国内から海外へ...次々に可能性を広げるニチレイフーズ「ハミダス活動」とは何か

2023年12月27日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
ハミダス活動

経営トップの想いや社内情報を共有する「動画メッセージ」は配信回数が330回を超えている

<従業員同士のコミュニケーション活性化を目的としていた活動が、驚くべき広がりを見せ、食育やフードロス削減につながっている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇
  

冷凍食品大手の株式会社ニチレイフーズは、食育やフードロス削減など幅広い社会貢献活動を展開している。これらの取り組みの共通点は、意図せずに始まったということ。その原点には、同社の「ハミダス活動」がある。

担当領域を超えて自発的に取り組むカルチャー

電通が2018年から毎年実施している「SDGsに関する生活者調査」で、6回目となる2023年、初めてSDGsの認知率が9割を上回った。テーマごとに見ると、食品ロス(92.6%)、ジェンダー平等(90.2%)、再生可能エネルギー(90.1%)の順に認知度が高い。

SDGsには17の目標が定められており、比較的想起されやすいテーマに注目が集まる一方で、あまり認識されない項目もある。例えば、目標8の「働きがいも経済成長も」は、個人でも何らかのアクションを起こせる食や環境に比べると目立たない。働きがいのある環境は、会社の風土や体制に依るところが大きいことも要因としてあるかもしれない。

風土改革を実施したことで生まれ変わった企業の例として、株式会社ニチレイフーズが注目に値するだろう。同社の変革を象徴するのが「ハミダス活動」だ。社員が自分の担当領域を超えて(=はみ出して)自発的に取り組むカルチャーを社内に根付かせるのに役立った。

「明るく、元気で、風通しのよい企業風土を目指して始めたハミダス活動は、従業員が自ら考え、自ら行動することを支援し、個性や能力を存分に発揮する取り組みです」と語るのは、サステナビリティ推進部の佐藤友信氏。

「この活動は2011年、当時社長に就任した池田泰弘の発案で始まりました。縦割りで連携の悪い組織体制や、業績が悪く閉塞感の漂う社内の雰囲気を払拭したいという思いからスタートしています」

根幹をなす活動として、経営者と10人前後の従業員が2時間かけて対話する「あぐら」と、経営トップの想いや社内情報を共有する「動画メッセージ」がある。

hamidasu1.jpg

経営者と従業員が対話する「あぐら」。参加者は延べ7000人にもなっている

「あぐら」はこれまでに700回以上開催され、参加者は延べ7000人。一方、トップメッセージとして始まった「動画メッセージ」も今では従業員参加型となり、配信回数は330回を超えた。各部署から選出された、活動を推進する「ハミダスフレンズ」は延べ800人超。社長直轄の専門部署「ハミダス推進部」が事務局を務め、活動を促進してきた。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、政策金利2.25%に

ワールド

中国主席、米国製品の購入加速に「ほぼ同意」とトラン

ワールド

米ゴールデンドーム構想、迎撃システム試作品の発注先

ワールド

ウクライナ和平で前進、合意に期限はないとトランプ氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中