博物館や美術館をうまく楽しめない人は...国立民族学博物館に学んだ「わからなさ」こそ展示も人生も楽しむ秘訣【民博特集2/4】
展示を見て「これ、なんか変じゃない?」「私たちとは全然違う」と感じたとき----その違和感こそが、新しい世界への扉を開く鍵になります。
「わからなさ」が日常や人生を豊かにする
「わからない」ことは恥ずかしいことではありません。むしろ、そこからしか思考の旅路は始まりません。「わからない」から生まれる想像や推測、「わからない」からあとで調べてみる。「わからない」は豊かな時間をつくりだします。
民博の展示は、来館者それぞれが能動的に展示資料を観察し、そこからいろいろなことを想像することを前提としていますが、これはどんな博物館や美術館でも当てはまることです。
「正しく」見ようとするのではなく、戸惑いや疑問から自分を発見する。自分の当たり前を見つめ直す。正解を確認しにいくのではなく、「わからない」を求めて出向く。感性の冒険に旅立つ気持ちで出掛けてみてはどうでしょうか。あとはスニーカーで行くことをお忘れなく。足の痛みは思考の冒険のラスボスです。
ミンパクチャン[著者]
ルポライター 市井の国立民族学博物館ファン。
樫永真佐夫[監修者]
国立民族学博物館教授/文化人類学者 1971年兵庫県生まれ。2001年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。2010年、第6回日本学術振興会賞受賞。著書に『道を歩けば、神話 ベトナム・ラオス つながりの民族誌』『殴り合いの文化史』(左右社)他多数。2023年より『月刊みんぱく』編集長。ボクシング、釣り、イラスト、料理など、いろいろする変人二十面相。
『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』
樫永真佐夫[監修]
ミンパクチャン[著]
CEメディアハウス[刊]
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