最新記事
健康

睡眠時無呼吸症候群、こんな方法で改善でき、CPAP不要になるかも【最新研究】

Blowing Conch Shell Linked to Improvement in Dangerous Sleep Condition

2025年8月22日(金)11時30分
ハンナ・ミリントン

治療器具のCPAP(シーパップ)

睡眠時無呼吸症候群の治療では一般的に治療器具のCPAP(シーパップ)が使われる Mongkolchon Akesin-shutterstock

シャンカ吹きにより、上気道の筋肉が鍛えられる

研究者によれば、ほら貝を吹いたグループの成果は、深呼吸を行った対照群よりも有意に優れていたという。

「シャンカ吹きは、深い吸気と、口をすぼめた状態での力強い呼気を伴い、それが振動と抵抗を生み出す。その結果、軟口蓋(なんこうがい)や喉といった上気道の筋肉が鍛えられ、睡眠中に気道を開いたまま保つのに役立つと考えられる。また、ほら貝の独特な螺旋構造が、音響的・構造的に刺激を強めているかもしれない」とシャルマは説明する。

「CPAPは標準治療だが、快適ではなく、長期使用が難しいと苦労している人は多い。シャンカ吹きが取って代わるわけではないが、補助的あるいは代替的な手段にはなり得る。特に軽度から中等度のOSA患者や、CPAPが手に入らない、または高額で利用が難しい環境において有用だ」

睡眠時無呼吸症候群は、減量、禁煙、飲酒量の減少といった生活習慣の改善によって治療されることもあるが、多くの人はCPAPの使用が必要だ。

CPAPによる治療では、気道を広げるため、寝ている間に口や鼻に装着したマスクに空気をやさしく送り込む機械が使われる。効果は高いものの、不快と感じたり、継続して使うのに苦労したりする人もいる。

「ほら貝の持つ呼気抵抗と振動の効果は、気道筋トレーニング用の医療機器で再現できる可能性がある。これは今後の研究対象だ」とシャルマは語った。

ただし――と、彼は言う。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾、日本産食品の輸入規制を全て撤廃

ワールド

英政府借入額、4─10月はコロナ禍除き最高 財政赤

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、11月速報値は52.4 堅調さ

ビジネス

英総合PMI、11月速報値は50.5に低下 予算案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中