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睡眠時無呼吸症候群、こんな方法で改善でき、CPAP不要になるかも【最新研究】

Blowing Conch Shell Linked to Improvement in Dangerous Sleep Condition

2025年8月22日(金)11時30分
ハンナ・ミリントン

伝統的なヨガ呼吸法を正式な臨床試験で検証

「私たちの臨床現場では、ほら貝を定期的に吹くようになってから、睡眠の質が改善し、疲労感が軽減したと報告する患者が複数いた。なかには、治療機器(として一般的なCPAP:シーパップ)を使わなくても睡眠検査の結果が改善した例もあった」とシャルマは説明する。

「こうした経験から、この伝統的なヨガ呼吸法を正式な臨床試験で検証しようと考えた」

この研究は、19歳から65歳の中等度OSA患者30人を対象に、2022年5月から2024年1月にかけて実施された。ポリソムノグラフィーという精密検査によって夜間の睡眠状態を記録・観察し、その後に睡眠の質や日中の眠気について質問が行われた。

参加者は無作為に2つのグループに分けられ、16人がほら貝を吹く訓練を受け、14人が深呼吸法を練習した。

両グループとも、自宅での実践を始める前に、クリニックで研究チームのメンバーから直接指導を受けた。ほら貝を吹くグループには、ヨガで使われる伝統的なシャンカが提供された。

参加者には、週に5日、1回あたり15分間以上、自宅で実践するよう推奨された。6カ月後に再検査が行われた。

深呼吸を行ったグループと比較して、シャンカ吹きを実践した人々は、日中の眠気が34%少なく、よりよく眠れたと報告しており、ポリソムノグラフィー検査では、1時間あたりの無呼吸(睡眠中の呼吸停止)が平均で4〜5回少なかった。また、夜間の血中酸素濃度も高かった。

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