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腰痛は「心理療法」で3年間軽減できる...新アプローチ「CFT」の実力とは?【最新研究】

Psychotherapy Offers Chronic Back Pain Relief for Three Years

2025年8月15日(金)15時55分
ハンナ・ミリントン
腰痛

TungArt7-pixabay

<薬にも手術にも頼らず、「体を使う」心理療法の効果が実証された...認知機能療法とは?>

慢性的に腰痛に悩む人に、少なくとも3年間は持続する痛みの軽減をもたらす可能性がある心理療法がある。

オーストラリアのカーティン大学とマッコーリー大学の研究チームによる最新研究で、「認知機能療法(CFT:Cognitive Functional Therapy)」と呼ばれる治療法の効果が示された。


認知機能療法(CFT)は、鎮痛剤、理学療法、マッサージ療法などの従来の療法よりも、腰痛への効果が最大1年間続くことが先行研究で示されていた。

今回のランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)では、その効果が3年間持続することを初めて示した結果となった。

認知行動療法(CBT)と認知機能療法(CFT)の違い

認知行動療法(CBT)が会話を中心とした療法であるに対し、認知機能療法(CFT)は、「身体で行う療法」に近いと、本研究を率いた理学療法を研究するマッコーリー大学のマーク・ハンコック教授は述べる。

信頼、自信、身体への意識を構築し、恐怖や回避の対象となっている動作や身体活動に段階的に慣れさせ、生活習慣にも働きかける。認知機能療法(CFT)は3つの柱で構成される。

第一は「痛みの理解」で、患者の経験を通して痛みを再解釈し、いわゆる「生物心理社会モデル(Biopsychosocial Model)」の視点を提供。第二は「コントロール下での曝露」で、恐怖を伴う動作への自信を取り戻す。第三は「生活習慣の改善」で、身体的・社会的・心理的な健康を促進する。

単に症状を和らげるのではなく、腰痛の原因にアプローチするため、長期的効果が期待できるとハンコック教授は述べる。

今回の試験では、慢性腰痛患者492人が、従来型の治療、認知機能療法(CFT)、または認知機能療法(CFT)に[心拍数などの身体機能を計測し、患者自身が調整できるようにする]バイオフィードバックを加えた治療のいずれかを、ランダムに8回受けた。

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