米がベネズエラ攻撃、マドゥロ大統領拘束 未明に首都で爆発
1月3日、ベネズエラのカラカスで撮影(2026年 ロイター/第三者が提供)
Idrees Ali
[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米大統領は3日、米国が未明にベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束したと明らかにした。トランプ政権は麻薬密輸と政権の正統性を巡ってマドゥロ氏に圧力をかけ続けてきた。
米国が中南米に直接的な介入をするのは、ノリエガ将軍を追放するため1989年にパナマへ侵攻して以来。
トランプ氏は「ベネズエラとその指導者であるニコラス・マドゥロ大統領に対する大規模な攻撃を成功裏に実施し、マドゥロ夫妻を拘束して国外へ移送した」と自身の交流サイト(SNS)に投稿した。
米国は、マドゥロ氏が「麻薬国家」を運営したと主張し、野党が圧勝したとする選挙を不正に操作したと非難していた。2013年にチャベス前大統領の後継として政権を握ったマドゥロ氏は、米国がベネズエラの石油資源を掌握したがっていると訴えてきた。
<未明に爆発や停電>
トランプ氏は、「米国の法執行機関と連携して」作戦を実施したと述べ、午前11時(1600GMT、日本時間4日午前1時)に自身が保有するフロリダ州の別荘マールアラーゴでの記者会見で詳細を明らかにするとした。
米政府関係者によると、米軍の特殊部隊がマドゥロ大統領夫妻を拘束したという。
ベネズエラ政府は、マドゥロ氏の拘束や出国について現時点で確認していない。
ベネズエラのパドリーノ国防相は「自由で独立した主権を持つベネズエラは外国軍隊の存在を拒絶する」と、トランプ氏がメッセージを投稿したのとほぼ同時刻に、国営メディアで放送されたビデオで表明。国民に団結を呼びかけた。
複数の中南米諸国はマドゥロ氏に反対の姿勢を示し、同氏が24年の選挙で不正を働いたと主張する一方、米国の直接的な行動は過去の介入に対する痛みを伴う記憶をよみがえらせ、域内の政府と住民による抵抗感は強い。
ノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏が率いるベネズエラの野党は、Xに投稿した声明文で、今回の出来事について公式なコメントはないとしている。
ベネズエラでは3日未明に首都カラカスで複数の爆発が発生、主要な軍事基地に近いカラカス南部では停電が起きていた。ミランダ州、アラグア州、ラ・グアイラ州でも攻撃があった。ベネズエラ政府の声明によると、マドゥロ氏は国家非常事態を宣言し、軍を出動させた。
ロイターの目撃情報やSNSの投稿によると、午前2時(0600GMT、日本時間午後3時)ごろからおよそ90分間、カラカス全域で爆風のような衝撃や航空機の飛行音、黒煙が確認された。
<攻撃の法的権限は不明>
ベネズエラの同盟国であるキューバとイランは攻撃を非難。イランは「国家主権と領土保全に対する露骨な侵害」と呼び、介入して「不法な侵略」を阻止するよう国連安全保障理事会に求めた。
トランプ氏は米国への麻薬密輸を理由にベネズエラへの圧力を強め、地上作戦を実施すると繰り返し表明してきた。麻薬を運んでいると主張するベネズエラの船舶を数カ月前から空爆し、昨年12月末には麻薬を船に積み込むベネズエラ国内の拠点を攻撃したと明らかにした。
マドゥロ政権は麻薬取引への関与を否定していた。
ベネズエラ政府は声明で、攻撃の目的は米国が同国の石油と鉱物を手に入れることだと主張。米国が資源を奪取することは「成功しない」とした。
今回の米国の攻撃が、どのような法的権限に基づいて行われたのかは不明。法律の専門家らは、110人以上の死者が出ている麻薬密輸船への攻撃の合法性を疑問視している。





