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腰痛は「心理療法」で3年間軽減できる...新アプローチ「CFT」の実力とは?【最新研究】

Psychotherapy Offers Chronic Back Pain Relief for Three Years

2025年8月15日(金)15時55分
ハンナ・ミリントン

認知機能療法(CFT)は最初の3カ月間で行われ、6カ月時点に1回追加。その後は介入なしでも効果は持続した。

「認知機能療法(CFT)群」と「認知機能療法(CFT)+バイオフィードバック群」は、ともに従来型治療よりも身体活動の改善が見られたが、両群間の差は小さく、統計的な有意性は確認されなかった。この結果は、3カ月後、1年後の結果とも一致していた。


本研究では、必要に応じて他の治療を併用することも認められたが、グループ間の差を生んだのは認知機能療法(CFT)であった。

研究チームは、認知機能療法(CFT)が慢性腰痛患者の身体活動に長期的な利益をもたらすこと、そして広く導入されれば腰痛による社会的負担を大きく減らせる可能性があるという(ただし、導入には専門家の研修の拡充と、臨床現場での再現性の検証が必要となる)。

認知機能療法(CFT)はがん、感染症、骨折などの重篤な原因を除くほぼすべての慢性腰痛患者に効果が見込めるが、万能薬ではないことにも留意が必要だ。約70%の被検者が良好な反応を示した一方で、残る患者に対する支援方法は今後の課題とされる。

ただし、特に腰痛の症状が重い患者での効果が大きかったとして、腰痛以外の疾患にも応用できる可能性が高いと、研究チームは述べる。

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