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腰痛は「心理療法」で3年間軽減できる...新アプローチ「CFT」の実力とは?【最新研究】

Psychotherapy Offers Chronic Back Pain Relief for Three Years

2025年8月15日(金)15時55分
ハンナ・ミリントン

認知機能療法(CFT)のようなアプローチは、低リスクかつ持続可能であるため、医療政策として支援すべきであるとハンコック教授は述べる。研究チームの共同執筆者らは、腰痛に関する啓発や現場の専門家向けの研修の提供を目的としたプロジェクトも進行中だ。

しかし、多くの国では手術や治療、画像診断、鎮痛剤の処方薬など高額かつ時に副作用のある治療は保険適用される一方で、認知機能療法(CFT)のような安全性が高く、効果の見込める治療方法へは保険適用対象外だという。この状況に対して、ハンコック教授は懸念を訴える。

アメリカ国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)によると、アメリカの成人の約8.2%が重度の慢性腰痛を抱え、その約4分の3が移動や社会参加、健康管理や就労に困難を抱えている。


【参考文献】
Hancock, M., Smith, A., O'Sullivan, P., Schütze, R., Caneiro, J. P., Laird, R., O'Sullivan, K., Hartvigsen, J., Campbell, A., Wareham, D., Chang, R., & Kent, P. (2025). Cognitive functional therapy with or without movement sensor biofeedback versus usual care for chronic, disabling low back pain (RESTORE): 3-year follow-up of a randomised, controlled trial. The Lancet Rheumatology.

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