将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
Early Warning Sign for Children's ADHD Risk Discovered
教育心理学者のエミリー・クロスビー氏(本研究には関与していない)は本誌の取材に対し、次のように語っている。
「人とのつながりは、社会的および情緒的な発達を支える重要な要素だが、これは現代社会においてしばしば損なわれがちだ。幼い子どもやその家族が、テクノロジーに多くの時間を費やし、それぞれが孤立した環境で暮らすようになると、こうした発達の領域に悪影響を及ぼす可能性がある」
「生後3年間、つまり『1001日』は、子どもにとって最も重要な時期だ。この時期に形成された愛着スタイルは、その後の人間関係、ときに恋愛関係にまで影響を与える。たとえば、不安型・不安定型・回避型の愛着を持つ子どもは、過度に周囲に警戒するようになり、それが注意力の問題として現れることがある」
「だからこそ、親への早期の支援が重要になる。子どもが安全で安心できる安定した愛着を築けるようにすることが大切だ。そのためには、親自身の幼少期の経験に向き合う支援も含まれる」
研究チームによると、「局所クラスタリング」や「重み付き次数(weighted degree)指標」を使った解析により、特定の脳領域で構造的な接続の分離度が低いことが、年長の子どもにおける選択的注意力の向上と関連していることがわかった。
一方で、空間認知に関わる領域のように、構造的な接続性の重み付き次数やクラスタリングが高いことが有益な場合もあるという。