最新記事

その一杯が長寿をつくる──家康も愛した、スーパーで買える「陣中インスタント食品」の正体

2025年7月9日(水)18時39分
笹間 聖子(フリーライター、編集者)*PRESIDENT Onlineからの転載

徳川家康が戦場で八丁味噌を食べたワケ

八丁味噌を徳川家康が好んだのはなぜだったのだろうか。家康は1542年、岡崎城の生まれだ。つまり、地元の味噌が八丁味噌だったのだ。

家康は、自身で食べるのはもちろんだが、八丁味噌を戦の際の「陣中食」としても使っていたといわれている。食べ方としては、天日干しで乾燥したものを兵が携帯。そのまま食べたり、水に溶かして"インスタント味噌汁"にしたり、おにぎりの周りに味噌を塗ることで、保存性を高めたりしていたとも。

newsweekjp20250709083540.jpg

画像=狩野探幽/大阪城天守閣所蔵/ラッチキング/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

「八丁味噌を陣中食にすることは、非常に理にかなっている」と藤本先生は指摘する。豆味噌には大豆由来のペプチドが多く含まれており、疲労回復や、傷ついた筋肉の修復などに効果的だからだ。アミノ酸の量も味噌のなかでダントツに多く、こちらも体力や筋肉の増強に効果を発揮する。


健康オタク・家康が説いた「五菜三根」とは

と、そこまで科学的に解明はされていなかっただろうが、徳川家康は「健康オタク」で、自身も「五菜三根」を入れて、毎日八丁味噌の味噌汁を食べていたという。五菜三根とは、「葉野菜5種と根菜3種」を指す。

さらに、麦飯も一緒に食べていた。麦飯は、レジスタントスターチ(消化されないでんぷん)を含み、食物繊維と同様の働きをして腸内環境を整えてくれる。この食生活が、平均寿命が37、38歳の時代に73歳まで長生きした理由のひとつであることは間違いないだろう。

真似をしたいところだが、今は野菜高騰の時代。食卓に取り入れるなら、葉野菜も根菜も安いタイミングに購入して、食べるサイズにカットして5種類まぜて冷蔵しておくか、冷凍して使うのがいいそうだ。また、「現代ならきのこ類も加えると、食物繊維が腸をきれいにしてくれるので、さらに健康にいいですよ」と藤本先生。「五菜三根一茸」を新しい味噌汁のスローガンとして掲げてはいかがだろうか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

透析・手術用の品目、「安定供給図る体制立ち上げた」

ワールド

トランプ氏、NATOへの関与に否定的発言 集団防衛

ワールド

北朝鮮が固体燃料エンジンの地上燃焼実験、金総書記が

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 10
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中