最新記事

スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、770円「似て非なる」おにぎりも

2025年3月10日(月)10時40分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

今、パリの弁当屋をネットで検索すると上記の他にも様々な店が表示される。現地の人たちがパリで弁当を食べるのは、もはや当たり前の光景だといえる。

なお日本のメディアでも多数報道されているように、最近のパリでは、おにぎり専門店が増え、おにぎりが流行している。寿司より簡単に作れるため、自分で作る人も増えているらしい。


 

英国では高級スーパーに「焼きうどん」が登場

イギリスでも日本食は気軽に食べられる。ロンドンには和食レストランは多く、テイクアウトのチェーン店「わさび」(2003年に設立、現在ロンドンに30店舗以上)等でも寿司や弁当が買える。

スーパーでの日本食販売の動きも活発だ。イギリスのスーパーでは、食費を節約できるミール・ディールというセット販売を提供している。対象商品から「メイン(サンドイッチやパスタ等)+スナック(ポテトチップスやフルーツ等)+ドリンク」の3品を買うと大幅割引になるのだ。小売業界最大手テスコは2023年からこのセット販売に寿司やポケ丼、餃子等を含めたところ大好評で、寿司の売上が短期間で90パーセント増加したという。

また、英国王室御用達とされる高級スーパーのウェイトローズでは、日本料理が成長傾向にあり、同社サイトの日本料理レシピのページへのアクセス数が大幅に増加していることを踏まえ、2023年に独自ブランドの「ジャパン・メニュー」を立ち上げた。電子レンジで温める"鶏の照り焼き丼""鶏肉入り焼きうどん"といったラインナップで、日本食がより身近に感じられるようになっている。

北欧ではMUJIでも日本食が広まる

北欧や南欧でも日本食は人々を惹き付けている。フィンランドを訪れた時には、MUJI(無印良品)の店舗としてヨーロッパで最大の売り場面積を持つヘルシンキ店(2024年秋で5周年)に行き、驚いた。MUJIのカフェ・レストランが併設され、日本の味を提供していたからだ。MUJIの飲食店は日本をはじめアジア内のみだと思っていた。

ギリシャのアテネでも、昨年訪れた時に日本食の存在感が一層増していて驚いた。数年前に訪問した時にはなかった和食レストランが続々登場し、スタイリッシュな日本食材店もオープンしていた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・ウクライナ鉱物協定「完全な経済協力」、対ロ交渉

ビジネス

トムソン・ロイター、25年ガイダンスを再確認 第1

ワールド

3日に予定の米イラン第4回核協議、来週まで延期の公

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中