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リーダーシップ

睡眠不足の上司は部下に当たり散らし、心を落ち着かせている...「仕事と睡眠」の驚きの関係

2024年12月26日(木)06時40分
若杉忠弘(グロービス経営大学院教授)

どちらの場合でも、こうしたリーダーのもとで長く働いていると、みなさんの心身への負担になります。そして、心身の健康を崩してしまえば、もちろん、仕事のパフォーマンスは落ちます。

自分をケアしないリーダーのもとでは、メンバーは自分の健康を守ることが難しくなるのです。言い換えれば、自分をケアするリーダーのもとでは、メンバーも自分をケアすることができます。これはデータに基づく事実です。

実際、ある保険会社で、リーダー47人とメンバー466人を調査した研究では、次のことが明らかになっています。

自分の心身をケアするリーダーのもとで働くメンバーは、自分の心身もケアをしていました。そして、そうしたリーダーのもとで働いているメンバーほど、実際により健康だったのです。

リーダーは、自分の心身を疎かにすると、メンバーの心身に負担をかけてしまうことを重々認識する必要があるのです。

睡眠不足は死亡リスクを増加させる

リーダーがおさえておくべきは、「睡眠」「食事」「運動」「休み」の4つです。

まず、睡眠から始めましょう。

寝る前にSNSや仕事のメッセージに目を通すことが多く、どうしても就寝時間が遅くなりがちという人も少なくないでしょう。睡眠時間も6時間を確保できればいいほうで、朝、起きたときに、体のだるさが残ることも多いということはないでしょうか?

こうした睡眠習慣では、残念ながら、自分の健康を守れないことがわかっています。

睡眠の専門家15人が、睡眠と健康にかかわる学術論文5314本を精査し、共同で次の声明文を出しています。

「成人は定期的に7時間以上の睡眠をとるべきである」

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