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高度成長期を支えたマンモス団地「松原団地」60年の歩み 建て替え進み多世代共生の新しい街へ

2022年8月28日(日)11時00分
鳴海 侑(まち探訪家) *東洋経済オンラインからの転載

1960年代に埼玉県草加市に造成された大規模団地「草加松原団地」。今年で入居開始から60年。その間に大きく姿を変えた(筆者撮影)

埼玉県南東部にある草加市。いまから60年前の1962年に、大規模団地「草加松原団地」(以下、本文では基本的には「松原団地」と略す)の入居がはじまった。1年半かけて5926戸が入居したこの団地は、完成した当初は「東洋一のマンモス団地」とも呼ばれた。

総敷地面積約60ヘクタールの団地は敷地内に道路、住棟、商店街、学校を計画的に配置。住棟は当時最新のコンクリート造りで、まさに「憧れの住まい」であった。

入居開始から今年で60年。「マンモス団地」は時代にあわせてどのように変化していったのだろうか。

建設当初は田んぼに囲まれていた松原団地

松原団地は、草加市の北部に造成された。現在の最寄り駅は東武スカイツリーラインの獨協大学前<草加松原>駅だ。停車するのは普通列車のみだが、1つ南隣の草加駅で急行・準急列車に乗り換えることができる。うまく列車が接続してくれれば、北千住駅までは15分とかからない。普通列車だけで行っても20分弱と近い。

さらに、普通列車は東京メトロ日比谷線、急行・準急列車の多くが東京メトロ半蔵門線に直通する。こうした直通列車を使えば、大手町までは約40分、六本木や渋谷までは約1時間でアクセス可能だ。

松原団地は今でこそ、住宅地の中にあるが、建設当初、周囲は田んぼに囲まれていた。

松原団地が建設される直前の1950年代は、住宅不足が叫ばれ、日本住宅公団(現在のUR都市機構)は千葉県の常盤平団地(4839戸)をはじめ、東京近郊にいくつもの大規模団地の開発を計画していた。そのうちの1つとして1960年2月に草加市内の約40ヘクタールの敷地を使った約4400戸の大規模住宅団地「栄町団地」(仮称)の建設計画が発表された。

計画発表から着工までの動きはスピーディーで、計画発表の翌年の1961年に着工、さらに第2期計画もでき、あわせると60ヘクタールに約6000戸の大規模住宅団地の建設が行われた。そして構想発表からわずか2年半後の1962年、仮称「栄町団地」は「草加松原団地」と名付けられ、住民の入居が始まった。

松原団地は4階建ての中層住棟と専用庭付きメゾネットタイプの住戸で構成される2階建ての「テラスハウス」と呼ばれる住棟の合計324棟から構成され、おおむね1500戸を1地区とし、東からA地区、B地区、C地区、D地区と名付けられた。

A地区の東側には東武伊勢崎線(現在の東武スカイツリーライン)が南北に走り、松原団地の入居開始と同じ頃に松原団地駅(現在の獨協大学前<草加松原>駅)が開業した。東武伊勢崎線は同じ年の5月に営団(現在の東京メトロ)日比谷線の人形町駅まで乗り入れを開始していた。日比谷線はその後、1964年8月に全通し、都心と松原団地が電車1本で結ばれるようになった。

団地の住民はこの松原団地駅を利用して通勤するサラリーマン世帯が多いと想定され、街路や地区計画も駅の開業を念頭に置きながら作られた。わかりやすい部分でいえば、駅前に地区センターを作り、駅前からD地区まで緑道でつなぎ、緑道に沿って各地区に集会所や商店地区が設けられた。

草加松原団地の全景

「東洋一のマンモス団地」とも呼ばれた草加松原団地の全景 パブリックドメイン

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