最新記事
若者

若者の現在と10年後の未来:消費行動編(後編)──新型コロナで変化が加速

2020年5月29日(金)12時10分
久我 尚子(ニッセイ基礎研究所)

コロナによる外出制限でネット交流が世代を超えて広がっている(写真はイメージです) recep-bg-iStock

<独自調査をもとに10年後の消費行動を予測する。SNS志向がますます強まる一方、マスメディア情報も引き続き重視するなど、今と変わらないこともある>

*この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年4月15日付)からの転載です。

前編はこちら

10年後の消費行動──「所有より利用」「貯蓄」「環境配慮」「SNS」志向が全体で高まる一方、「マスメディア」志向も現在と同様に高い

現在、消費のデジタル化が進んでいる。スマホの普及によって、シェアリングエコノミーなどの個人と個人が容易につながることのできるプラットフォームが構築され、情報の流れにおいても個人の発信するSNSが浸透しつつある。一方で、総務省「平成30年通信利用動向調査」によると、20~30歳代のスマホ保有率は9割を超える一方、60歳代では56.2%に過ぎず、現在は、スマホを軸とする消費行動へ移行する過渡期とも言える。

そこで、調査では、10年後、2030年の未来の消費行動はどうなっていると思うかをたずねている。未来に予想される11項目の消費行動をあげ、「あてはまる割合」を見ると、全体では最も高いのは「店舗での支払いで現金は使われなくなり、キャッシュレス決済が浸透する」(57.6%)であり、次いで「SNSを使う人はさらに増えているが、結局、テレビや新聞などのマスメディアの影響が相変わらず大きい」(48.2%)、「ドローンを使った宅配サービスが、めずらしいものではなくなる」(47.5%)、「若い頃から、老後に向けて貯蓄や投資をすることが一般的になる」(45.9%)、「ネットやスマホを通じて個人間でモノやスキルなどをやりとりをするシェアリングサービスが浸透する」(44.1%)と続く(図表5)。

Nissei200521_5.jpg

若者でも全体と同様の順位だが、全体と比べて、「テレビや新聞などのマスメディアの情報よりも、個人が発信するSNSやブログなどの情報が主流となる」(+7.2%pt)で全体を5%pt以上上回る。

このほか、若者のうち女性では、「若い頃から、老後に向けて貯蓄や投資をすることが一般的になる」(+6.2%pt)や「友人や知人とは、実際に会うよりも、ネットやスマホを通じた交流が主流となる」(+5.6%pt)、「ものを買って所有するよりも、サブスクリプションサービスなどによって、ものを利用することが主流となる」(+5.3%pt)で全体を5%pt以上上回る。このうち若い女性特有の傾向は、「友人や知人とは(中略)ネットやスマホを通じた交流が主流となる」と「ものを買って所有するよりも(中略)ものを利用することが主流となる」である。

若者の『SNS』志向はさらに強まりそうだが、10年後も依然としてマスメディアの影響は大きいようだ。「SNSを使う人はさらに増えているが、結局、テレビや新聞などのマスメディアの影響が相変わらず大きい」(44.7%)の選択割合は、「テレビや新聞などのマスメディアの情報よりも、個人が発信するSNSやブログなどの情報が主流となる」(36.5%)を8.2%pt上回っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

NATO加盟国、イラン問題で「全く何もしていない」

ワールド

イランは「出口」模索、紛争終結へ合意に関心示す兆候

ビジネス

米新規失業保険申請、5000件増の21万件 予想と

ビジネス

エネルギー高のインフレリスク、ウクライナ侵攻時より
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 4
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 5
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 6
    トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国…
  • 7
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 8
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 9
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 10
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中