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気鋭のシェフの「奇妙な空間」ダイニングを仕掛けたのは誰か

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2017年10月12日(木)17時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ 広告制作チーム

<NYの人気フリーランスシェフ、ジョナ・レイダーを招いて東京で行われたソーシャルダイニング。なんと企画から敢行まで3週間でやってのけたという。主催したのはミレニアル世代向けの媒体HEAPSだ>

9月6日、東京・青山のTRUNK HOTELの一室に奇妙な空間があった。某企業の社長と主婦、某有名ブロガー、それから17歳の青年にゲイのクリエイターにサラリーマンと、普段なら交差点で目も合わさないような人たちが1つのテーブルを囲み、仕事の話からサウナの話、果ては下世話な話までを共有している。

「ソーシャルダイニング」を日本で実践

人種も年齢も職業も全くバラバラの「はじめまして」の人たちで、一期一会のコミュニケーションを図る食卓――ソーシャルダイニングを、東京で試験的に行ったのがその"奇妙な空間"の正体だ。中央で大きなキッチンからダイニング参加者を見ながらコースをサーブしていたのが、ソーシャルダイニングのシェフ、ジョナ・レイダー(23)である。

そもそも、このジョナというシェフが少し変わっている。アメリカの名門コロンビア大学で経済学を専攻するかたわら、学生寮で小さなサパークラブ「Pith」(ピス)を始めた。すると「ニューヨークで一番のグルメスポットは学生寮4Bにあり!」と校内紙で話題になり、大手紙からも注目される存在へ。さらには「予約4000人待ち」を記録し、卒業後のシェフとしての道は約束されたようなものだった。

「うちの店に来ない?」から「店の開業資金出すよ」まで、あらゆる選択肢を手にしていたジョナが選んだのは、フリーランスシェフ。しかも、包丁一本で各地に赴くフリーの板前と違い、彼のプランはこういうものだった。「お金持ちの家の余っている一室に住まわせてもらって、そこで僕がパーティーをホストして料理をサーブするっていうのはどうかな」

世間知らずな学生の"夢"を、ジョナは現在プロとして実現している。さらには上述のソーシャルダイニングを、多方面からサポートを受け世界各地で実施しているのである。

そのシェフを「東京に呼んでみよう」と試みた結果が、TRUNK HOTELの奇妙な一室だったというわけだ。アメリカほど人種をばらけさせることは不可能なので、とりわけ職業をバラエティ豊かにして実施。参加者たちは全員、当日渡されるトランプカードの数字に従い、席についた。「え、あの社長の隣にあのAV男優が座るの?」といった状況でも、特別な気遣いは一切ない。

このソーシャルダイニングを仕掛けたのは、日本のマガジンで初めてジョナを取り上げたウェブ媒体「HEAPS Magazine」だ。ジョナを日本に呼びイベントを敢行するまでを、わずか3週間でやってのけたという。

「ミレニアルズとおじさん」でまわす若者向け媒体

Newsweek_HEAPS_2.jpg

ダイニングは2日間にわたり、加えてジョナとゲストをもう2人呼んでのトークイベントまで行うという3日間のイベント。これを企画から集客、実施まで3週間で遂行したバイタリティの秘密は、主催したベンチャー企業「ヒープス(HEAPS)」の社員構成にありそうだ。というのも、社員の平均年齢29歳(編集部に限れば25歳)という、いわゆるミレニアルズ(ミレニアル世代)の会社なのである。役員2人もミレニアル世代だ。

ミレニアルズといえば、近年、欧米をはじめ世界各地で社会変革のカギとなっている世代。インターネット勃興の情報革命に当たり、「従来の世代とは一味も二味も違う(良くも悪くも)」と言われ、起業からライフスタイルまでどの分野をみてもユニークだ。

シェアエコノミーはもっぱらこの世代が群雄割拠しているし、ソーシャルグッド(社会貢献)をクリエイティブに実践するのもこの世代の十八番。男性(トランスジェンダー)のための生理用下着を開発したり、ストリートブランドで寄付を募ったり。DIYで街を変えようと、行政に頼らずにゲリラ的にアーバニズム(都市計画)を実践し、SNSを駆使した選挙活動を行ったり......。

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