最新記事
バブル

日本発の株価大暴落は実はこれから!? バブル崩壊を見抜くための「3つの軸」

2024年8月30日(金)12時37分
小幡 績(慶応義塾大学大学院教授)*東洋経済オンラインからの転載
収束したかに見える「日本発の株価大暴落」はまだこれから!? 危機は繰り返されるのか...

Lemonsoup14 -shutterstock-

<2024年8月5日の日経平均株価の暴落に肝を冷やした人も多いだろう。その後、株価は持ち直したが、危機は本当に回避されたのか。いや暴落はまだ終わっていない>

ついに株価暴落が始まった。2024年8月5日の日経平均株価は4451円安となったが、これは1987年10月20日(10月19日のアメリカのブラックマンデー翌日)の3836円を暴落幅で超え過去最大、暴落率でもそれに次ぐ史上2番目となった。

過去に暴落は何度もあるが、例えば2008年のリーマンショックは、証券大手のリーマン・ブラザーズの破綻がきっかけだった。だが、明確なきっかけのない暴落もある。その中で有名なのは、前出の1987年のブラックマンデーと、実は1929年の大暴落だ。

【暴落はまだ終わっていない】

では、今回の日本の暴落「ブラックマンデー2024」は、1987年に近いのだろうか、それとも1929年に近いのだろうか。

読者の多くは失笑するだろう。「もう危機は去った。1929年の大暴落を持ち出すなんてありえないし、1987年との比較で見ても、今回の日経平均は暴落直前だった8月2日の終値3万5909円には届いていないが、9日までには大半を取り戻して3万5000円台を回復したじゃないか。結局、ちょっとした調整だったんだよ」。それが一般的な見解だろう。

違うと思う。まだ、今後どうなるか、わからない。なぜなら、まだ今回の暴落局面は終わっていないからだ。危機はこれからだ。

実は、1987年も1929年も、暴落は何度も起きた。そして、何度も収束したかに見えて、1929年などはその後、さらに大きな暴落がやってきている。だから最初のクラッシュにおいて、その原因を的確に把握すれば、次のより大きなクラッシュは防ぐことができるのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 8
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中