最新記事
事業継承

200万円で買った会社が月8万円以上の利益に 楽に稼げる会社と絶対買ってはいけない会社、見分けるポイントとは

2023年9月12日(火)19時34分
三戸政和(事業投資家、ラジオDJ) *PRESIDENT Onlineからの転載

「権利ビジネス」にうまみあり

また、権利ビジネスも利益率が高いうえに、手間が掛からないビジネスです。たとえば、2〜3店舗の繁盛店を買って、フランチャイズ(FC)展開をするというのも、権利ビジネスを生む手法となります。

実際に、私のファンドが資本提携をし、私が役員を務めているベーカリーチェーンの「小麦の奴隷(どれい)」では、老舗(しにせ)の繁盛店をM&AしてFC展開していくことを企図しています。そうすれば、加盟店から加盟料と原材料販売料という収益が定期的に入ってきます。

特許や著作権はもとより、老舗という「のれん」も競争の源泉となる権利ビジネスになり得て、持っているだけで収入が入るようにできるのです。

ちなみに、町工場でもネジやナットなどで特殊な製品を作っているところは特許を持っていたりしますから侮(あなど)れません。権利ビジネスのように仕組み化されたものは利益率が高く、「買ったほうがよいビジネス」といえます。

買いやすいビジネスモデル③:ROEが高い会社

最後に、「ROE(Return on Equity)」が高いビジネスも狙い目です。

ROEとは自己資本利益率のことで、自分が出したお金である自己資本に対して、どれくらい利益が出ているかを示す指標です。

「たいしてお金出してないのに、えらく儲(もう)かっているな......」というのがROEの高い状態で、「こんなにお金出しているのに、これだけか......」というのがROEの低い状態です。

製造業が主流の日本の中小企業は、ROEが低い傾向にあります。製造業は工場や機械などが必要となりますので、設備投資がかかります。その分の売上利益を出していればいいのですが、出ていない中小企業も多くあります。

「買いづらいビジネス」は明白

とくに、代々にわたって承継してきた土地や建物がある場合は、市場価格がとても高いにもかかわらず、その上物である工場からは通常要求される利益が出ていないというケースが多々見られます。

わかりやすい事例でいうと、酒蔵のようなケースです。江戸時代から広い土地と工場設備で酒を造っていますが、酒自体の収益性は低い。

こういう状態の会社を買うと、投資資金の大半が土地代に消えてしまうことになります。

当然ながら、その土地は会社を売却するまで手放せません。つまり、無駄に投資資金を寝かせてしまうことになるので、よい投資にはなりにくくなります。

そういうビジネスモデルは「買いづらいビジネス」といえるでしょう。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀は8日に0.25%利下げへ、トランプ関税背景

ワールド

米副大統領、パキスタンに過激派対策要請 カシミール

ビジネス

トランプ自動車・部品関税、米で1台当たり1.2万ド

ワールド

ガザの子ども、支援妨害と攻撃で心身破壊 WHO幹部
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中