最新記事
論争

人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』は、作者J.K.ローリングの「偏見」に満ちている

Pulling Harry Potter's Legacy | Opinion

2025年7月8日(火)18時30分
マドレーヌ・デリー(ライター)

ハーマイオニーが救おうとする屋敷しもべ妖精たちは、ジャー・ジャー・ビンクスを思わせるような文法で話し、言語学習サイト「babbel.com」の記事では「クレオール言語(※)を思い出させる」と指摘されている。

(※)[編集部注:異なる言語圏の間での交易のなかで、商人たちによって自然と作り上げられる言語(ピジン言語)が、子供たちの世代で母語として話されるようになった言語]

また、太っていることが「悪」として表現され(ダーズリー家が典型的な例で、マージおばさんは大柄で筋肉質、口ひげがあると描写される)、そうしたコード化も問題視されてきた。

さらに、ダンブルドアを同性愛者だと事実上公表したのは2007年10月、シリーズ完結後だったため、形ばかりの宣言だと懐疑的な声も多かった(『ハリー・ポッターと死の秘宝』は同年7月に発売されている)。

サンフランシスコの書店「ブックスミス」は最近、ローリングが「J.K.ローリング女性基金」を設立しようとしていると公言したことを受け、ハリー・ポッターシリーズの取り扱いをやめる決断をした。

この基金は「単一性空間やサービスに関する不合理な包括ポリシーへの遵守を強制された人々」や、「自らの信念を表明したことで生計を失ったり審問にかけられたりしている人々」に法的支援を提供するという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・午前=ナスダック一時1週間ぶり安値、

ワールド

プーチン氏、マドゥロ政権に支持表明 経済協力も協議

ワールド

米印首脳が電話会談、二国間関係や国際情勢など協議

ビジネス

米9月貿易赤字10.9%減、予想外の縮小 20年6
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中