エルモが子供を洗脳している...『セサミストリート』はトランプ政治とテクノロジーに殺される?
Big Bird’s Big Battle
今の子供たちは、昔のようにソファに座ってPBSを見ているわけではない。YouTubeやインスタグラム、TikTok(ティックトック)を飛び回りながら視聴する。こうしたネットメディアでは教育上のメリットよりも、興味を引きやすいかどうかを基準におすすめのコンテンツをリアルタイムで表示する。
米児童青少年精神医学会によると、8~12歳の子供たちは1日4~6時間をスマートフォンやパソコンの画面を見て過ごす。別の報告書によれば、子供たちが「自動おすすめ機能により有害なコンテンツに誘導される」ことを68%の親が懸念している。
技術の進化はビジネスにも持続可能かどうかの課題を突き付けている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、セサミワークショップは最近、HBOとの年間3000万~3500万ドルのライセンス契約を失い、その影響で従業員の20%に当たる約100人を解雇した。
現在は複数のストリーミングプラットフォームとライセンス契約の交渉を進めている。[編集部注:5月20日、米動画配信サービス大手ネットフリックス(Netflix)が配信契約を締結。最新シーズンを含めて今年中の配信を目指すと発表した]
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ミレニアム世代が親に
競争力を維持するために『セサミストリート』も大幅にリニューアルされる。最新の第56シーズンは、さまざまなコーナーを並べて1回分のエピソードを構成するマガジン形式を廃止。
短い動画に慣れた視聴者の集中力を踏まえて、短いアニメーションの前後をそれぞれ11分間の物語で挟むという3つの短いコーナー形式になる。