最新記事
ドラマ

「メープルシロップ泥棒」は石油を盗むよりも儲かる...カナダで起きた奇想天外な「珍事件の真相」

A Tale of Stolen Maple Syrup

2025年3月13日(木)16時08分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
マーゴ・マーティンデール(Margo Martindale)

「主役はみんなに親切にして、いい雰囲気をつくる責任がある」と、マーティンデール MATHEW TSANG/GETTY IMAGES

<名脇役マーゴ・マーティンデールの初主演作はメープルシロップを強奪する中年女性を描くAmazonドラマ『スティッキー〜大シロップ強盗団〜』に──(インタビュー)>

「メープルシロップの1樽が石油1樽よりも高いなんて、知らなかったでしょ」。そう言うベテラン女優のマーゴ・マーティンデール(Margo Martindale)も、ドラマ『スティッキー〜大シロップ強盗団〜(The Sticky)』(アマゾンプライム・ビデオで配信中)に出るまでは知らなかった。

『スティッキー〜大シロップ強盗団〜』予告編


『スティッキー』は、実話を基に伝説のオスカー女優ジェイミー・リー・カーチス(Jamie Lee Curtis)が制作を手がけた新作ドラマ。


エミー賞受賞のマーティンデールが演じるのは、カナダのメープルシロップ農家を仕切るルース・ランドリー。政府に生業を奪われそうになって犯罪に手を染める女性だ。「すごく異質ですごく愉快で、信じられないような人ね」

人を疑うことなど知らなかったルースが、ついには国や組合に一発かます。「しかも彼女は絶望的な状態からのスタート。そこが快感」

ルースはしっかり者だが、もう限界というところまで追い詰められ、やむなく「メープルシロップを盗もうと決意する。「素敵に論理的」だとマーティンデールは笑う。

名脇役として知られるマーティンデールだが、主役を張るのはこれが初めて。でも彼女は主演だろうと助演だろうと仕事が好き。「仕事がなくてぼーっとしている日が続くと、なんでうちのエージェントは電話してこないの? どうかしちゃったの? と思ってしまう」。

本誌H・アラン・スコットが聞いた。

◇ ◇ ◇


──最初に脚本を手にしたときの感想は?

ジェイミー・リーが電話で「あんたにぴったりの企画がある。やろうよ」と言ってきた。私は「まず脚本を読ませて」と答えた。すると彼女は「いいけど、やるよね」と言い、私が「やるよ、やるけど本を読ませて」と言うと、彼女は「いいけど、あんたはやるんだ」と言った。それで私は「やる」と答えた(笑)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中