<今年のゴールデングローブ賞作曲賞を受賞しているのにノミネートすらされないとは...。『チャレンジャーズ』の果敢な挑戦について>

テニスコートでは、女子ジュニア選手のタシ(ゼンデイヤ)が対戦相手を完膚なきまでにたたきのめし、観客席では、男子ジュニアのダブルスを組むアート(マイク・フェイスト)とパトリック(ジョシュ・オコナー)がそれを食い入るように見ている。タシのプレーを初めて目の当たりにした2人は、すっかり魅了されていた。

テクノサウンドが緊迫感を高めるなかで、カメラはコート上のタシと観客席の2人を短い間隔で交互に映し出す。アートとパトリックは、タシの強烈なプレーに全く同じタイミングで思わずのけぞる。

私は昨年、ルカ・グァダニーノ監督の映画『チャレンジャーズ』を女性だけのグループで見に行った。コートでタシが奏でる音楽に合わせてダンスするかのように、アートとパトリックが同時にのけぞった瞬間、私たちは映画館で喜びと驚きで涙を流して大笑いしたものだ。これこそが映画だ!と、私は思った。

ところがアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの面々は、優れた作品を理解する力がないらしい。1月23日に今年のノミネート作品が発表されたが、『チャレンジャーズ』は1部門もノミネートされなかった。脚本賞はもとより、作曲賞や歌曲賞の候補にもなっていない。

音楽を担当したトレント・レズナーとアッティカス・ロスは、同じ作品で今年のゴールデングローブ賞作曲賞を受賞しているのに、ノミネートすらされないとは......。

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映画の出来がどれくらい音楽に依存しているかが映画音楽の評価基準だとすれば、『チャレンジャーズ』でのレズナーとロスの仕事ぶりは、ノミネートの段階をすっ飛ばして、いきなり受賞してもいいくらいだ。

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