エイズ撲滅のため差別や憎悪と闘い続ける──エルトン・ジョン
My Fight for Equality and Justice
英ウィンザーにある私の自宅には、エイズで亡くなった友人たちをまつるチャペルがある。彼らの思い出は私の魂に刻まれている。この40年間に出会った人々、南アフリカの若い母親からウクライナの首都キーウにいたゲイの男性まで、あらゆる人々に教えらられたことがある。エイズはいわゆる「まともな人たち」の病気ではなく、「はみ出し者」がかかるという見方がある限り、この感染症の撲滅は望めないということだ。
何がエイズ禍を終わらせるかと言えば、それは医療と技術だろう。だが、どうやって? 答えは包摂と共感と思いやりを通じて、だ。
誰かを悪魔に仕立て、スケープゴートにし、社会に恐怖を広めれば、隠し事や虚偽がはびこるだけだ。互いの違いを受け入れ、誰もが愛され、救われる価値があると認めること。それは今の世界ではとても困難な課題だが、究極的にはその試みがより豊かで輝かしい未来を切り開く。挑戦すれば、きっとできる。

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