世界石油需要、20年代末まで増加 中国は27年ピーク=IEA

6月17日、国際エネルギー機関(IEA)は年次報告書で、世界の石油需要が2020年代末まで増加し続けるとの見通しを示した。カザフスタンのアティラウ地区で4月2日撮影(2025年 ロイター/Pavel Mikheyev)
[ロンドン 17日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は17日に発表した年次報告書で、世界の石油需要が2020年代末まで増加し続けるとの見通しを示した。最大の石油輸入国である中国の需要が27年にピークを迎えるものの、米国のガソリン価格低下と電気自動車(EV)普及の鈍化が石油利用を後押しすると予想した。
IEAは石油需要が29年までに日量1億0560万バレルでピークに達し、30年にはわずかに減少すると見込んでいる。一方、石油輸出国機構(OPEC)は石油消費の増加が続くとして、ピークは予想していない。
IEAは世界の生産能力が30年までに日量500万バレル以上増加し、日量1億1470万バレルに達すると予測している。大きな混乱がなければ、30年まで供給は潤沢との見方を示した。
ビロル事務局長は声明で、「基礎的な要因に基づくと、石油市場は今後数年間、十分に供給されるだろう」と述べた。「しかし、最近の状況は石油供給の安全保障に対する重大な地政学的リスクを明確に浮き彫りにしている」と指摘した。
IEAは中国の石油消費量について、EV販売の急増と天然ガスを燃料とするトラックや高速鉄道の導入により、27年にピークを迎える見込みだと述べた。
中国の30年の石油総消費量は24年の水準からわずかな増加にとどまると見込みんだ。昨年の報告書では日量約100万バレルの増加を予想していた。
一方、世界最大の石油消費国である米国については、ガソリン価格の低下とEVの普及ペース鈍化により、30年の石油需要予測を日量110万バレル上方修正した。