スポーツでの脳震盪が「鬱や自殺」に繋がることも...選手の脳を守る「血液検査」の可能性

TACKLE THE ISSUE AHEAD OF THE GAME

2024年12月25日(水)15時26分
ジョー・コズラウスキー、パンドラ・デワン(いずれも本誌記者)

今のところ、試合中のガーディアンキャップ姿はあまり見かけない。選手の間には、余分な重量が加わることを心配する声も上がり、効果をめぐる議論が続いている。しかし、既にフィールド上で日常的にキャップを着けている選手もいる。

「安全が守られるなら、見た目はどうでもいい」。テネシー・タイタンズのタイトエンド(TE)で、脳震盪を2回経験しているジョシュ・ワイル(Josh Whyle)は、チームの公式サイトでそう発言している。「着用が認められるなら、もちろんそうする」


インディアナポリス・コルツのTEで、昨シーズンに脳震盪を経験したカイレン・グランソン(Kylen Granson)はさらに率直だ。

「車のシートベルトなんてばからしいと思われていた時代もあった」が、「私は近く結婚する予定だ。夫婦としての初めてのダンスを、30年後も覚えていたい。わが子が初めて歩いたときを忘れたくないし、初登校する日にはそばにいたい」。

だが、誰もが同じ意見ではない。ドルフィンズのQBタゴバイロアは10月下旬の記者会見で、ガーディアンキャップを着用するかと問われてこう答えた。「もちろんノーだ。私はリスクを覚悟している」

NFLによれば、今年のプレシーズンの脳震盪件数は、統計を取り始めた15年以降で最も少なかった。ガーディアンキャップの導入に加えて、ヘルメットが改良され、頭部の接触に対する考え方が変化したおかげだと、CMOのシルズは指摘する。

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