最新記事
映画

【ネタバレ解説】鬼才シャマラン新作映画『キャドー湖の失踪』に期待しすぎは禁物

“Caddo Lake” Explained

2024年11月15日(金)11時31分
ナディラ・ゴフ(スレート誌カルチャー担当)
シャマラン新作映画『キャドー湖の失踪』ディラン・オブライエン演じるパリス

母親を不慮の事故で亡くしたパリスは、真相を突き止めるべく謎めいた湖の奥深くへ入っていくが MAXーSLATE

<M・ナイト・シャマラン監督が放つ新作ミステリーはお得意のタイムスリップも逆効果。マニアックなファンには残念な出来(かも)──(レビュー)>

ミステリースリラーの鬼才M・ナイト・シャマラン製作の映画『キャドー湖の失踪』。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「Max」の新作で、監督・脚本は『きっと地上には満点の星』のセリーヌ・ヘルドとローガン・ジョージ。主演はエリーザ・スカンレンとディラン・オブライエンだ。

テキサス州カルナックのキャドー湖で8歳の少女が失踪。それをきっかけに湖で次々と不可解な出来事が起きる。予告編を見るとSFチックなタイムスリップもののようだが、シャマラン映画の真骨頂とも言うべき『トラップ』並みの傑作なのか。


Caddo Lake | Official Trailer | Max

以下、マニアックなファンに代わって、気になるところを一つ一つ分析しながら、Q&A形式でまとめてみよう(以下ネタバレ注意!)。

◇ ◇ ◇


──テキサス州カルナックで何が起きているのか。

まず登場人物の関係を整理しておこう。主役は2人。1人はエリー(スカンレン)で、失踪事件が起きた2022年の時点で10代後半から20代前半(卒業を1学期早める話をしているので大学生らしい)。母親のセレスト(赤毛だと言っておく)とはうまくいっていない。

実の父親はエリーが赤ん坊の頃に失踪、今の父親のダニエル(エリック・ラング)は母親の再婚相手だ。8歳の妹アナはダニエルの連れ子だが、姉妹仲はいい。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ紛争は26年に終結、ロシア人の過半数が想

ワールド

米大使召喚は中ロの影響力拡大許す、民主議員がトラン

ワールド

ハマスが停戦違反と非難、ネタニヤフ首相 報復表明

ビジネス

ナイキ株5%高、アップルCEOが約300万ドル相当
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中