ニュース速報
ビジネス

ブラックストーン傘下ファンドに解約請求殺到、直接融資巡り不安

2026年03月04日(水)09時14分

写真はブラックストーンのロゴ。2025年7月、ニューヨークで撮影。REUTERS/Mike Segar

Isla Binnie

[ニ‌ューヨーク 3日 ロイター] - 米‌大手投資会社ブラックストーンは、​傘下のプライベートクレジット・ファンドの第1・四半期の解約請求額⁠が異例の大きさとなり、​解約上限引き上げなどの対応を迫られたことが、2日付の届け出書類で明らかになった。

対象となったのは「BCRED」ファンドで、解約請求額が37億ドルと発行済み株式総数(持ち分)の7.9%に膨らんだ。

この⁠ため、通常は持ち分の5%に設定されている四半期の解約上限を7%まで引き上げ、残る部分はブラックス⁠トー​ンと従業員が4億ドルを拠出する形で全ての請求に応じたという。

背景には、プライベートクレジット市場に対する投資家の不安感が強まっていることがある。特にBCREDなどの中堅企業向け投融資を行う「ビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC)」と定義さ⁠れる非上場ファンドは、主な貸出先‌の1つのソフトウエア企業の事業が人工知能(AI)によって代替され⁠ると⁠の懸念が浮上したことで、重圧にさらされている。

同じような直接融資を手がける米資産運用会社ブルー・アウル傘下のファンドも解約制限を強いられている状況だ。

JPモルガンのアナリストチーム‌は、この種の非上場ファンドで最大規模のBCREDの資​金流‌出が四半期ベースで初⁠めて発生したのは、​直接融資(プライベートクレジット)に対する投資家心理が悪化しているという重大な兆候だとの見方を示した。

プライベートクレジットやプライベートエクイティといったオルタナティブ資産の動向を‌追跡している投資銀行RAスタンガーは「オルタナティブ資産は急カーブに差しかかりつつあり、資金​はプライベートクレジット⁠から離れ始めていると考える。われわれは今年のBDC業界の資金調達が前年比約40%減少すると予測している」と述べた。

RAスタンガーによ​ると、こうした資金の動きは、2023年にブラックストーンが不動産関連ファンドで解約制限を実施した際に富裕層向け不動産ファンドへの資金流入が激減したケースと重なるという。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は下げ幅拡大、1900円超安 半導体株安い

ワールド

重要鉱物の供給集中、買い手連合が最善の対処法=カナ

ビジネス

ホギメディカル、カーライルのTOBが成立

ワールド

イラン女子校攻撃で調査要求、国連人権事務所「実行者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中