最新記事
音楽

「今やK-POPはマイナス成長」BTS擁するHYBEのバン・シヒョク 気になるBTSカムバックは?

2023年3月15日(水)21時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
バン・シヒョクHYBE議長

15日、ソウルで開かれたK-POPビジネスのフォーラムに出席したバン・シヒョクHYBE議長 Kim Hong-Ji - REUTERS

<世界的な活躍をするアーティストを擁する音楽業界のキーマンが激白した──>

「K-POPを取り巻く指標の鈍化が明確だ。また東南アジアの一部では様々な指標がマイナス成長している」。こう語るのはBTSを世界的なアーティストに育て上げた所属事務所の代表バン・シヒョクだ。

15日韓国ソウルで開催されたK-POPビジネスについてのフォーラムに出席したバン・シヒョクは、先日米CNNの単独インタビューで語った「K-POP危機論」をはじめとした持論を紹介したほか、つい先日突然の終了を迎えたSMエンターテインメントのM&A劇の裏側についても明らかにした。KBSなど韓国メディアが報じた。

脱K-POPを目指す!?

最近米CNNインタビューの単独インタビューでバン議長は「Kポップ危機論」を語って注目を集めた。

「指標の鈍化が明確だ。さらに、東南アジアの一部では様々な指標がマイナス成長している。BTSが、メンバーらの軍入隊でグループとしての活動を止めたことが、成長率の鈍化の最も大きな理由に見える。だが、BTSがカムバックすれば明日にでも指標が上がるとは考えていない。持続的にスーパースターが現れるよう、健全な企業環境を作るための秘訣は、リスク要因を分散して、規模を拡大していくしかない」

そのための具体的な手法は、グローバル化とK-POPのポスト韓国化だという。

「BTSを通じてK-POPに入門するようにファンダム(熱狂的なファンの集団)のプラットフォームに複数の海外アーティストたちをラインナップして、それを通じてBTS以外の歌手にも関心をもつように潜在ファンダムを増やす"好循環方式"と"規模の経済"が必要だ。K-POPの"Kのアイデンティティ"(=韓国的アイデンティティ)を補充していく方式は、K-POPの成長鈍化などの危機的状況には全く役に立たない。私は"K"という単語が希釈されなければならないと思う。
海外調査でK-POPの定義を尋ねると依然として"韓国"という答えが出ている現実から脱しなければならない。K-POPが韓国ではなく、特定なジャンルに拡張されるとき、むしろ韓国の文化輸出や経済的成長も牽引できると思う」

これと関連してバン・シヒョク議長はHYBEの海外音楽市場進出を例示に挙げた。HYBEはイタカ・ホールディングス、QCメディア・ホールディングスのような米国の音楽会社を買収したほか、ユニバーサルミュージックグループ(UMG)傘下にあるゲフィン・レコードと合弁会社を設立するなど、米国音楽市場内に強力なネットワークとインフラを構築し、世界有数の音楽市場内で存在感と影響力を発揮している。

BTSの活動再開は?

とはいえ、HYBEのビジネスの中心がBTSであることは否定できない事実。そして、JIN以外のメンバーがいつ入隊するのか、そしていつBTSが活動再開できるのかということだ。この点についてバン・シヒョク議長は、メンバーの除隊後の活動再開については、2025年をターゲットにしていると語った。

「メンバー各人の入隊時期は個人情報に近い。ここで申し上げにくい。過去に何度も話していた立場通り、入隊が決定すれば公開するだろう。私たちだけでなく、メンバーも2025年くらいに活動再開できることを希望している。しかし、2025年がターゲットにされている年ではない。皆が努力するが軍隊という問題が思いどおりに解決されることがない。除隊後に復帰に向けた準備が必要だ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCでの利下げ見送り観測高まる、モルガン

ワールド

トランプ氏、チェイニー元副大統領の追悼式に招待され

ビジネス

クックFRB理事、資産価格急落リスクを指摘 連鎖悪

ビジネス

米クリーブランド連銀総裁、インフレ高止まりに注視 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中