誰もが応援したくなるBTSの成功物語 世界中のARMYに聞いた7人の魅力
WHY WE LOVE BTS
彼らの謙虚さとあらゆる人に対する敬意、礼儀正しさからも学んだ。私くらいの年齢になると、なんでも経験して知っているような態度を取りがちだけれど、これほど間違ったことはない。今は新しいことに対して、以前よりオープンになれる。
救急病棟の看護師によると、死にゆく人はお金や財産についてはほとんど口にせず、恋をしたり出産したり友人と旅行したりといった経験をもっとしたかった、と語るという。だとすれば、昨年のBTSのコンサートは、私が死に際に思い出す人生最高の経験の1つになるだろう。
「Kポップはどれも同じ、ではない」
匿名(25)/モロッコ
ARMYの間では「BTSに出会うのは、彼らを一番必要としているとき」という言葉がある。私は2016年頃からBTSを知っていたが、曲を聴くことはなかった。Kポップはうるさいラップが混ざったエレクトロニック・ダンス・ミュージックで、どれも同じだと思い込んでいたのだ。
アルバム『Love Yourself』で、その認識が間違っていたことを知った。当時の私は、自分の中のいろいろな感情や思いに自分で混乱していた。それを言い表せず、誰にも相談できずにいた。それを言葉にしてくれたのがBTSだった。
「白人男性だってKポップが好き」
ロブ(27)/保険/オーストラリア
もともとラップが好きで、妻から「BTS Cypher4」を勧められて心をつかまれた。彼らのラップと語る力は半端なくすごい。
私はタトゥーを入れた白人男性で、大柄で赤ひげを生やしているから、ヘビーメタルのファンと思われがちだ。実際そうだけれど、Kポップも大好き。ライブは音楽とダンスと演出に迫力があり、ファンも熱気に満ちている。欧米アーティストに欠けている、と私が思うもの全てがある。
BTSのすごいところは、ジャンルをミックスした音楽にあると思う。メロディーが凝っているし、「自分を愛そう」という歌詞はとてもパワフルで、上っ面だけで歌っているのではないことがよく分かる。
「誰もが応援したくなる成功物語」
バーニス・ロルダン(42)/ 国際開発銀行のコンサルタント/フィリピン
ファンになったきっかけは、音楽配信サービスのスポティファイで英語以外のアップビートな曲を探していたら、「Dynamite」がかかったこと。コロナ禍で孤立感を覚えていて、仕事もやる気を失っていたけれど、ハッピーな曲調に魅了された。
BTSどころかKポップも初めてだったけれど、ブルーノ・マーズの曲みたいで驚いた。それから5時間ぶっ通しでBTSを聴いた。
世界的な成功を収めているにもかかわらずいつも一生懸命で、音楽を愛していて、謙虚なところもいい。曲作りにも最初から関わり、難しいテーマに取り組んでいる。私たちはみんな、不利な立場にある人が成功する物語が好きだが、彼らの物語はまさにそれだ。