誰もが応援したくなるBTSの成功物語 世界中のARMYに聞いた7人の魅力
WHY WE LOVE BTS
「文化的アイデンティティーを受け止められた」
アシュリー・チョー(30)/スクールカウンセラー/米ワシントン州
私が育ったシカゴ郊外は白人住民が大多数を占め、韓国系アメリカ人の自分が周囲と違うことをいつも恥ずかしく思っていた。BTSのファンになってから、そうした恥の感覚を認め、自らの文化的アイデンティティーとの壊れた関係を修復できた。
BTSがメインストリームで躍進したことで、私みたいな人間の声に耳を傾けてもらう価値があると思えるようになったのは本当に意義深い。
「亡き友に別れを告げて」
テリーザ・フリムポン(21)/医科大学生/ガーナ
私には中学生のときに死んでしまった幼なじみがいる。そのショックをずっと乗り越えられず、自分の感情にふたをしてきた。でもBTSの「Spring Day」を聴いたとき、思わず号泣してしまった。何度も繰り返される「ポゴシプタ(会いたい)」という歌詞に、ずっと隠していた感情を吐き出すことができた。ようやく友達に別れの言葉を告げる機会を、BTSがくれたことに感謝している。
「ファンに世界一の多様性がある」
エーロ・アレンニコブ(31)/フィンランド
私がBTSを知ったのは2018年。彼らが国連で演説し、イギリスの人気トーク番組に出演したときだ。ユニセフ(国連児童基金)と組み「私自身をまず愛そう」と訴えたキャンペーンや、内面と向き合うことを表現したアルバム『MAP OF THE SOUL』はとても心に響いた。私が内なる不安と戦い、自分を愛するきっかけになった。
私はいま31歳で、婚約者がいる。ボーイズバンドのファンといえば、金切り声で絶叫する10代の少女というイメージがあるから、私は異端に見えるかもしれない。でも、BTSのファンは世界一多様性に満ちていることをみんなに知ってほしい。
「弱さを見せることを恐れない」
ナションダ(46)/教育関係/米ノースカロライナ州
BTSのおかげで10代の娘と共通の話題ができた。娘は高校でKポップクラブを設立し、私はその顧問を務めている。クラブは多様性に満ちた部員を反映して、ダンス委員会、アート委員会、文化の盗用に関する委員会など多様な活動をしている。
BTSの音楽はとてもパワフルで、元気が出て、リアル。7人は世界に向けて、今という時代にぴったりの普遍的な言葉で語り掛ける。彼らがすごいのは、弱さを見せるのを恐れないこと。そして懸命に努力し、失敗を恐れず、万が一失敗してもそれをきちんと受け入れる。休暇が必要ならそれをファンにきちんと伝えて、もっと強くなって戻ってくる。

アマゾンに飛びます
2025年5月20日号(5月13日発売)は「2029年 火星の旅」特集。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら