最新記事
宇宙

5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?

How To See May's Flower Moon Next Week

2025年5月8日(木)12時30分
マリア・アズーラ・ヴォルペ
5月の満月は「マイクロムーン」...少し小さな花咲く月を楽しもう(写真はイメージです) Ganapathy Kumar-Unsplash

5月の満月は「マイクロムーン」...少し小さな花咲く月を楽しもう(写真はイメージです) Ganapathy Kumar-Unsplash

<春の夜空に「フラワームーン」が昇る。やや小ぶりな「マイクロムーン」となる今年の満月は、見る場所や時間帯の工夫でより美しく楽しめる>

来週は5月のフラワームーンが夜空を照らし、魅惑の宇宙に春の彩を添える。明るく輝く満月を鑑賞する方法を紹介する。

フラワームーンはアメリカ東部標準時の5月12日午後0時57分にピークに達する。北半球では春の2度目の満月。夕暮れ時の月が昇る頃に最もよく見える。

ただ、この日に鑑賞できなかったとしても、5月11日と13日にも明るい満月に見えるので、今回の天文イベントを楽しむチャンスはたくさんある。

5月のフラワームーンを見る場所

フラワームーンを楽しむためには、光害が少ない場所を選ぶ必要がある。高い所の、できれば開けた場所を見つけるか、東の地平線がはっきり見える静かな海岸沿いがお勧めだ。

満月は肉眼でも鑑賞できるが、双眼鏡や小型の望遠鏡を使えば月面のクレーターまでよく見える。

最も明るいフラワームーンが見られる時刻は、世界のどこにいるかによって異なる。月の出計算サイトを利用すれば、自分がどこにいても満月が一番よく見える時刻が分かる。

ニューヨークの5月12日の月の出は東部標準時の午後8時31分ごろ。ロサンゼルスは太平洋標準時の午後8時15分ごろ。

今年はマイクロムーン

今年のフラワームーンは「スーパームーン」の反対の「マイクロムーン」に当たるため、例年に比べるとやや小さく見える。

専門用語で遠地点満月と呼ばれるマイクロムーンの月は、楕円形の軌道上で地球から最も遠い位置にある。今年のフラワームーンは遠地点の通過とほぼ重なり、地球からの距離は23万8855マイルではなく、約25万1828マイルになる。

「フラワームーン」の名前の由来は?

コネティカット大学の天文学教授アレックス・ジャンニナスはフラワームーンと呼ばれる理由について、花が咲くこの季節に由来すると本紙に語っていた。

「ただし先住民は5月の満月を『Egg Laying Moon(産卵月)』『Planting Moon(植え付け月)』と呼ぶこともある」(ジャンニナス)

5月の満月の日は年によって異なる。昨年は5月23日で、およそ3日間、満月に見えていた。

月を撮影するには

それなりの機材を持っていなければ月の写真撮影は難しいかもしれない。受賞歴のあるハンガリーの天体写真家ラファエル・シュマルは、以前本誌の取材に対し、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラの使用を薦めていた。

高性能レンズ搭載のブリッジカメラの中にも月の出や月の入りを撮影できるものがあるという。軽くて丈夫な三脚も欠かせない。

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る

ビジネス

ユーロ圏の消費者インフレ期待、総じて安定 ECB調

ビジネス

アングル:日銀利上げ、織り込み進めば株価影響は限定

ワールド

プーチン氏、来月4─5日にインド訪問へ モディ首相
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中